疎通
アドラーの助けで、フォーゲルとリーベはドゥンケルとの衝突なく平和に食事を終えて外に出ることができた。彼らは身なりを整え、再び訓練場へと足を進める。
彼らの足取りは重くもなく軽くもない、軍人にしては明るい歩みだった。雪を踏み、土を踏み、小枝を踏む。これの繰り返しに過ぎなかった。
「お前、大丈夫か…？」
「大丈夫だよ。兵長さんが助けてくれなかったら、今頃やられていたと思う。」
「兵長さんがいなくても、俺が助けてやったはずだぞ？」
「あなたが助けてくれたら、それは暴力だよ…」
リーベは半ば閉じられた目でフォーゲルを見つめる。フォーゲルは呆れたように笑い、リーベの背中を軽く叩く。
「おい。俺を何の町の不良だと思ってんだ？もちろん盗みもしたけど、それは全部俺の生計のためだぞ。」
「盗んだ金でこっそり肉を焼いて食べようとしてたんでしょ…前は倉庫整理の時にグリルも見かけたよ。あれをおばさんが置いといたわけじゃないでしょう。」
「あ、いや。まあ…もらったんだよ。」
フォーゲルはそらとぼけるように両腕で頭を支える。彼の滑稽な姿はリーベの笑いを誘った。
「ふふっ…でもフォーゲル。私を守ろうとしてくれてありがとう。あなたが居なかったら、とっくに兵長さんが来る前にやられていたと思う。」
心からの感謝を伝えるリーベ。彼女が微笑んでフォーゲルを見つめると、フォーゲルの頬が少し赤くなる。もちろんすぐに首を横に振って、風景を鑑賞しているふりをした。
「馬鹿だな…そんなのはお前が嫌だって言わなきゃ。」
「わかった。努力してみる。拒否っていうのが、私には相手の心を傷つける行為のように感じられるんだ。やろうとしても、うまくできないし。」
「まったく、純粋すぎるな。」
フォーゲルは独り言のようにぼやく。リーベは実際にもとても優しく、他人を思いやる性格だった。他人を傷つけなければならない戦争中に軍隊に入隊するというのは、彼女にしてはかなり思い切った行為だった。もちろん、フォーゲルがいたからこそ可能なことだった。
いつの間にか歩いているうちに訓練場に到着する。今日もシャドウ・バレット訓練を続けるうちに、いつの間にか昼食の時間、そして夕食の時間まで近づいてきた。彼らは三食きちんと摂りながら、夕食まで訓練を続けた。
いつの間にか日が沈み、月が空を飾っており、シャドウ・バレット訓練もフォーゲル、リーベが負けることで終わりを告げた。そして部隊に戻ってみると、時間はもう点呼の1時間前だった。
軍装を整理し、軍靴を磨き、体の埃を水で洗い流した後、フォーゲルとリーベは兵舎テント周辺の椅子に座って雑談を交わす。
「ところでお前、あの兵舎でうまくやってるか？」
「うん。イヴァン一等兵さんともかなり親しくなって、よく会話もするし、気楽に過ごしてるよ。夜は少し寒いけどね。」
「そうか？まあ、でもお前のいる兵舎は開設されて間もないから、臭いは少ないだろうな。男性兵舎は人が多くて臭いもするし、衛生状態もあまり良くないんだ。ベッドもすごく硬いしな…」
リーベの兵舎は最新に作られたせいで、ベッドも男性用より最新式で、あまり硬くないベッドだった。イヴァンと二人だけで寝るため、比較的汗の臭いも少なく、衛生状態も土埃を除けば許容できるレベルだった。
「そう？確かに…私も前に過ごした時は、あまりよく眠れなかった気がする。最近は軍装を背負うのにも少しは慣れてきたみたい。もちろん完全装備じゃないけど。」
「教官が俺たちをすごく気遣ってくれてるんじゃないかな？最初はすごく怖い人だと思ってたけど、思ったより親切で意外だった。」
「教官とのシャドウ・バレット訓練を通じて、実力の差を痛感するよ。だからもっと頑張らないと。」
とりとめのない雑談を続けているうちに、二人はいつの間にか同時にあくびをしていた。そうして、お互いのその姿を見て、くすっと笑うだけだった。
「私はいつも不思議に思ってたんだけど、昔のあの時代ってどんなだったんだろう？」
「『弾生日』前の世界のことか？そんなのは俺たちには想像しがたいだろうな。俺は実はあれがただのおとぎ話じゃないかと思ってるよ。」
「でも、そんな世界が本当にあったなら、一度迎えてみたかったな。平和な世界だなんて…理想的じゃない。」
「あるわけないだろ。もちろんあったらいいけど、まあ、人間は暴力の動物だ。」
軍隊の話から離れて、二人は「弾生日」についての話を交わす。その日が起こる前までは、おとぎ話でしか見なかったような理想的で美しい世界だったようだ。
「もう起きよう。点呼があるぞ。10分残ってる。」
「うん。じゃあね。」
椅子から腰を上げ、兵舎テントに戻り、しばらくフィンやオアンと会話を交わすフォーゲル。いつものような日常的なコミュニケーションだった。そして夜間点呼を終えて、ようやくフォーゲルはベッドに横になった。
人間は適応の動物という言葉があるように、フォーゲルにとって今の軍隊生活は慣れてきた。しかし、あの日は無意識の年輪の中では依然として存在しており、フォーゲルはウンステアへの復讐を誓いながら眠りにつく。
