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月光

フォーゲルとリーベは訓練を終え、夕食を食べに行く。

もちろん、相変わらず二人を待っていたのは粗末な戦闘糧食だった。メニューは部隊に入って以来変わっていなかったが、今回の戦闘後に届いた補給で、新メニューとしてジャガイモのシチューを食べることができた。

「ついにメニューが変わったのか…?毎日豆ばかり食ってたけど、やっとまともな食い物が食えそうだな…ふぅ。」

フォーゲルが兵舎のテント前で匂いを嗅ぎ、安堵したような声を出す。その様子を見てリーベはくすくすと笑う。

そうして中に入り、席に座ってシチューを食べる。一日中寒かった体に、久しぶりに体の中まで染み渡る温かさだった。もちろん味は粗末だったかもしれないが、確かなのは豆よりはマシだということだ。

「ようやく、まともな食事をしている気分だ…」

「そんなに豆が嫌いだったの?」

「おい。俺は昔からずっと豆を嫌悪してたんだ。」

フォーゲルのユーモラスな言葉に、リーベは笑いをこらえきれない。白髪をなびかせ、はっきりしながらも、どこか気品のある微笑みを浮かべた。

そして二人は話をしながら10分が経ち、食事を終えてテントを出る準備をする。

「食べ終わったなら、次はまた訓練に行くか?今度は夜間訓練まで追加されたからな。」

「夜間訓練…それは何をやるんだろう?聞いてないな。」

フォーゲルは訓練の内容を考え込む。これまで行っていたのは、朝や昼に行う基本的な体力トレーニングや射撃程度だったため、夜は何をするのか想像がつかない。

「まあ、とりあえず行ってみればわかるさ。」

そう言い残し、テントを出て訓練場へ向かう。すると、ジンクスがあくびをしながらテントの中から出てくる。

「飯をなんでこんなに長く食ってんだ。待っているうちに疲れたぞ、やっと来やがった。」

「あ、すみません…」

「謝罪はいい。訓練は何をするか知ってるか?」

ジンクスはリーベが謝罪すると、気にするなというように頭を掻き上げた。

「夜間訓練…よく分かりません。」

「普段と同じく射撃訓練みたいなものですか?」

リーベは疑問を呈し、フォーゲルは推測してみる。彼は普段通りの無難な訓練なのかと気になり、耳を触る。

「射撃訓練?正解!でも、いつもとは違うぞ。」

「え…?」

いつもと違うという言葉に、リーベは顎に手を当てて推測する。彼らはこれまで単に標的を当てる訓練しかしていなかったため、確かに彼らには新しい訓練が必要だった。もちろん、その内容を推測するのは難しいことだった。

「俺が今から敵になるんだ。お前たちは俺に勝てばいい。俺はこの空包が詰まった銃を持ってやる。そしたらお前たちもこの銃で俺を撃てばいい。」

「お…」

ジンクスは二人に空包だけが装填された銃を手渡す。空包は、もちろん近距離で射撃すれば負傷の可能性もあるほど危険だが、この雪山という地形を考慮すれば、遠距離戦闘が一般的な状況になるため、十分に可能だった。

リーベとフォーゲルはそれぞれ銃を受け取り、口を丸く開けて、実戦さながらの今回の訓練にジンクスへ緊張した眼差しを向ける。もちろん実際に実戦を経験してはいるが、そこでも二人は誰も殺さず後方での給弾任務などをしていただけだったので、この訓練はなおさら緊張するものだった。

「部隊を出て、向こう側でやる。敵はそちら側には侵入してこないからな。そして、俺が反対側からお前たちをゆっくり圧迫していくから、自分で俺を見つけて撃てばいい〜」

「はいっ!!」

その言葉を最後に、三人は一緒に、比較的安全な雪が積もった森の中へ移動する。その森は高低差が大きく、至る所に木が無数にあったため、遮蔽に有利な地形だった。もちろん、やはり雪が積もっているせいで、歩くのには多くの力を要した。

「じゃあ、ここで待ってろ。そして、俺が適当な位置に行ってホイッスルを吹いたらスタートだ。」

「わかりました!」

ジンクスがその場を去る。フォーゲルとリーベは岩陰に残され、自分が受け取った銃と弾倉を確認する。フォーゲルは緊張していたが、リーベはひそかに情熱的な眼差しだった。

「ピーーッ」

ホイッスルの音が、遠くから聞こえてくる。それは鋭く、そしてどこか危険そうな、さえずる鳥の歌声のようだった。

「おい。始まりだ!」

「うん。まずは音が聞こえた場所に静かに行ってみよう。」

二人はその言葉を最後に、何も言わずにこの暗い山中を進んでいく。雪を踏む音だけが静かにここに響き渡り、木々は闇に隠れて死神のように見えた。

ジンクスがどこへ行ったのかを、二人は全く見当もつけられない。この森は迷路のように彼らを混乱させる。行けども行けども果てしなく木々だけが見え、もうどこにいるのかさえ分からなくなった。

「パン!!!」

その瞬間、彼らをかすめて通り過ぎる空包。リーベがしばらくどこか見当をつけるために足跡を確認していなかったなら、間違いなく脱落していたであろう正確さだった。

「教官だ!! 隠れろ!」

フォーゲルが叫び、共に素早く木の後ろに隠れる。隠れて伏せたが、再び銃声が鳴り響き、フォーゲルの足と数センチも離れていない場所に空包がめり込む。

「ひっ…!」

フォーゲルはこれに驚愕し、素早く足を隠す。そこでようやく銃声はしばらく止まった。

空には木々に遮られた三日月だけが彼らを照らしており、彼らは漆黒の月明かりを受けながらジンクスを追う。

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