フィン・ブッツェル
死者との再会を終えてから二日が経った。部隊内は普段通りに流れていたが、どこか哀悼の雰囲気がそこかしこから漂っていた。各兵士たちは遺体を収容し、壁を修繕し、武装を点検したりしている。
「今日で二日だね…あの日の戦闘から。」
「そうだね。起きなければよかったことだけど…残念ながら戦闘からは逃れられないみたいだ。」
「でも、俺は立ち上がる。ホーケル一等兵と…残りの4人の復讐のために。」
リーベの悲劇的な言葉にも、フォーゲルは復讐を誓い拳を握る。彼の拳は、空気を握りつぶそうとするかのように堅固だった。
「最近フィン伍長を見かけないな…以前、戦闘経験が豊富で、見送った仲間も多いと聞いたから、すぐに立ち直ると思っていたけど、心の傷はそう簡単に癒えないのかもしれないね。」
「確かに、伍長が言うには、自分を庇おうとしてホーケル一等兵が戦死されたんだから…私だってもしそうだったら、崩れてしまいそうだわ。」
フィンの感情と境遇を理解しようと努めるフォーゲル。彼はもはや過去の、盗みを働く狡猾で愚かな少年ではなく、他人を尊重し共感できるようになった「真の兵士」だった。
二人はそう話しながら、食堂のテントに入る。少し前までは賑やかで和やかな雰囲気だったが、今は図書館のように静まり返っていた。そしてフォーゲルとリーベは配給を受け取り、席を見つけて並んで座り、食事を始める。
「今日も味はひどいな…」
「でも、こんな厳しい雪山にある部隊で、補給があるだけでもありがたいじゃない。感謝して食べようよ。」
フォーゲルは成長したが、いまだにリークケアと一緒にいた頃の、おかずに文句をつける癖は残っていた。たとえ補給が困難な部隊であっても、せめて食事だけは満足に摂りたいと思っていたのだろう。
「それにしても、毎日豆ばかりの戦闘糧食だなんて、ひどすぎる。」
豆粒を指で転がしながら口を開くフォーゲル。彼はこうして文句を言うことで、二日前のあの日を忘れようと努めているようだった。本人は気づかれていないと思っていたが、リーベはとっくにそんなフォーゲルの本心を知っていた。
「そんなこと言ってないで、早く食べなよ。『腹が減ったら銃が来る』って言うでしょ?」
「そのことわざはもうやめろって。」
「腹が減ったら銃が来る」ということわざは、遥か昔から伝わる言葉だ。もちろんフォーゲルはその意味を詳しく知らず、興味もなかった。
「おい、お前たち…」
その時、昨日は姿を見せなかった薄い金髪の男性が近づいてくる。フォーゲルとリーベは昨日から彼のことを心配していたが、フィンはついに顔を見せてくれなかったのだ。
「伍長…!お、おはようございます…!」
リーベがフィンを見て、緑の目を大きく見開き、ぎこちない敬礼の姿勢を取り、朝の挨拶をする。真っ先に聞きたかったのは昨日の出来事についてだったが、口に出すのはためらわれた。
「ふ、ふ、フィ、フィン伍長!おはようございます!」
遅れてフォーゲルがフィンに気づき、リーベに続いて挨拶をする。言葉はかなりどもったが、敬礼の姿勢は成功した。
「すまなかった…二日前は泣き崩れて、昨日はお前たちに顔も見せられなかったな…」
「それは伍長も混乱されていたんですから…仕方ないですよ。」
突然のフィンの謝罪に、リーベは落ち着きを取り戻し、真心を込めて話しかける。高い声は低く沈み、彼女は指をそわそわと動かしていた。
「それでも…俺が先輩として、お前たちに良い姿を見せるべきだった。すまない。そして…ホーケルのことは……もう考えないように努力してみる。」
フィンは椅子を引き寄せ、リーベの隣に座って心からの謝罪をする。戦闘以前の、おどけて陽気だった面影はとうに消えていた。彼は決意を固めたのだ。
「あの時は俺があまりにも興奮しすぎていた…どう考えても、俺はガトリングをただ感情のままに撃ちまくったようだ。フェルカー少尉がいなかったら、俺は今頃懲戒を受けていたかもしれない。」
おそらくフェルカーはフィンの感情を理解し、小隊長ではなく一人の人間として、彼の弾丸の浪費を見逃したのだろう。常に厳格で人間味がないように見えるフェルカーだが、彼は案外優しく、配慮ができる人物だった。
「伍長はよくやられましたよ!俺がもっとお手伝いすべきだったのに…」
フォーゲルが前に出て、そんなことは断じてないと訴えるように話しかける。その少年の青い瞳は照明によってかすかに輝いており、息遣いは荒かった。
「そうです。私だって、目の前で仲間が倒れたら理性を失っていたと思います…伍長は数多くの戦闘を経験して、それでも乗り越えてきたんですから。」
リーベの目にわずかに涙が浮かぶ。その涙は悲哀ではなく、尊敬の念を込めていた。そしてこの言葉にフィンも胸を熱くし、答える。
「お前たちは…本当に最高の仲間だ…」
フィンは涙を流しながら、二人の子供をまとめて抱きしめる。たとえ食べ物の匂いが充満した食堂だったが、フィンの年月の流れが込められたような香りが周囲に振動した。
「次はもっと強くなります。」




