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弾丸の洗礼

フィンがガトリングガンを姿を現した敵に向けて照準を定め、弾丸を無差別に浴びせかける。隣で補助するホーケルは、弾帯をひっきりなしに送り込みながら、耳が突き破れそうなこの轟音に耐える。敵は我先にと突進してくるが、ガトリングガンの怪物じみた火力に為す術もなく血を噴き出し、内臓をまき散らしながら死んでいく。

「伍長!弾帯、取ってきます!」

そう言って、白髪の兵士は雪が嵐のように降るこの夜空を一瞬見上げ、素早くフォーゲルとリーベがいる場所へ走っていく。彼の耳には、ガトリングガンによる耳鳴りの音しか聞こえておらず、彼は素早くフォーゲルとリーベが準備しておいた弾帯を数本受け取り、駆け戻る。

「来ました!」

そして、減っていく弾薬を補充するために、熟練した手つきで直ちに給弾口に整えられた弾帯を押し込む。

「ちくしょう…小隊ほどの規模だと言ったのに、結構多いじゃねぇか!」

予想を上回る相手の兵士たちに、フィンは不平を漏らしながらガトリングを発射し続ける。火薬と血の匂いが混じり合い、戦場を漂い、それは掩蔽壕にいるフォーゲルとリーベにも届く。

「今頃、うまくやってるかな…?」

「きっと大丈夫だよ…!私は伍長を信じてる!」

二人は手分けして弾帯を連続で整理しながら、士気を高める言葉を交わす。二人の少年兵の位置は、小隊長のフェルカー少尉が意図的に安全な後方に定めたものであり、彼の温かい配慮が窺える配置だった。

「ここは俺がしばらくやるから、さっき小隊長がおっしゃった通り、敵を監視してみて!」

少女の背中を軽く押し、フォーゲルは自分からリーベを離して敵を確認するように指示する。その間にもホーケルは絶えず周囲を行き来し、弾帯を受け取っていく。

「敵、そこにいる?」

「う、うん…あ!いる!あそこの木の方から何人か接近中!」

「分かった…!」

リーベが大声で叫ぶ報告に、フォーゲルはつられてガトリングの音に埋もれないように、できる限り大きな声で伝達する。二人からは、極度の緊張と同時に勇気が共存している様子が見て取れた。

「小隊長!!後方の木の方に敵が複数いるそうです!!!」

フォーゲルはリーベの報告をフェルカー小隊長に聞こえるよう、喉が張り裂けんばかりに叫び、状況を報告する。前方でガトリングガン周辺の歩兵を指揮していた小隊長は、それをかろうじて聞き取り、後方へ兵士を数名送る。送られた兵士は5〜6名ほどに見えた。各自が信念のこもった表情をしながら、素早く銃を構え、部隊の壁を遮蔽物として撃っては隠れるを繰り返す。

「うおおおおおおお!!!」

その最中もガトリングの音は鳴り響き続け、フィンは雄叫びを上げながら敵を掃討している。フィンが位置する前方には、雪原に倒れた、見るも無残に弾丸の餌食となった死体が積み重なり、敵はガトリングガンを攻略するために部隊の北側へ移動し始めた。

「どこへ行くんだ!こっちで勝負しろ!」

一人、敵への怒りをぶちまけながら、ガトリングで逃げる兵士たちを無慈悲に撃ち殺す。彼が休むことなく敵に向かってガトリングを撃つ間、後方から突撃してくる敵兵を相手にしている兵士たちは、一人、また一人と銃弾を受け、血を吐きながら倒れていく。そして、部隊で唯一の衛生兵である小柄な一等兵、イーヴァン・ケーリーも慌ただしく動き回る。

「負傷者が多すぎるじゃないか!適度に怪我しろ!」

冷たい毒舌を一人ごちながら、彼は負傷者の治療に専念する。過多出血で死にかけている兵士に出血帯を巻きつけながら、同時に近づいてくる敵に向かって銃を撃つ。そして、やがて彼の冷たい茶色の瞳が閃き、銃弾を一発受けた兵士に向かう。

「お前は早くこれを自分で持って止血しろ!大して怪我もしてないくせに、適当に止血してさっさと敵を撃て!」

小さく小柄だが、誰よりも冷徹で氷のような彼女の態度に、怪我をした兵士は医療キットを受け取り、止血しながら息を荒げる。

「こいつもあいつも、役に立つ奴がいないんだから!」

すぐに医療キットを渡し終えると、再び敵兵に視線を移し、銃を撃ち始める。弾倉を交換する際、鉄がぶつかり合う音が周囲に振動し、敵兵たちはイーヴァンの猛攻にかなりやられてしまう。

「あの野郎、何だ!ちくしょう!とりあえず援護しろ!」

イーヴァンの攻撃を防ぐため、周囲の小さな岩に体を最大限隠し、息を切らす敵兵たち。彼らは、この小さな小隊がこれほど狼のように獰猛に攻撃してくるとは思ってもいなかった。

「撃て!」

そして、狼にやられるハイエナも、再び狼に噛みつき始める。彼らが岩を遮蔽物として、一発ずつ顔を出しながら撃ち、狼側の兵士たちを一人、また一人と倒していく。その瞬間、ハイエナたちに向かってジャガイモほどの大きさの何かが投げ込まれた。

「あああああ!!!」

ジャガイモのように見えた手榴弾は、悲鳴を上げながら逃げようとする兵士に向かって破片を飛び散らせて爆発する。その破片を浴びた兵士たちは、皆が悲惨にも頭蓋骨が砕け、腰の骨が分断され、周囲に深紅の液体を噴き出す。

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