表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/223

47話 イカれた兄妹を紹介したぜ。


 47話 イカれた兄妹を紹介したぜ。


「かしこまりました。それでは、またあとで、じっくりと話し合うことにいたしましょう。ちなみに、これは、その場しのぎの口約束やなく、絶対の契約ですから、その辺、誤解なきよう」


 そこで、センは、心底しんどそうな顔をジバに向ける。


「……お前の妹、おかしいぞ。何がどうとは言えんけど……いや、この件に関しては言えるな。だって、普通におかしいもん。他者に多くを求め過ぎる。これは、ダメだよ。こういう思想は破滅を招くよ。ちなみに、この場合に破滅するのは俺ね。だから、助けてジバえもん。このビシャミちゃんに、一発、ガツンと、兄の威厳とやらをかましたれ。俺が許す」


 と、素直な言葉をぶつけると、

 ジバは、苦笑いして、


「ビシャのあなた様への要求……私は、それほどおかしくないと思いますよ、セン様。確かに、少々、のめりこみすぎる傾向にはある妹ですが……言っていることは、何も間違っていないと思います。セン様は、尊い方なのですから、言動も含めて、なにもかも、正しく尊くあってほしい……それだけの話だと思います」


「……はぁ……助けるんじゃなかった、マジで……こんなイカれた兄妹だと知っていたら……はぁ……」



 ★



 ――その後、手続き等、色々を経て、

 センとその配下の兄妹、合計3人の魔人は、

 この、ダソルビア魔術学院の理事の元に挨拶に行くことになった。

 長い廊下を歩いた果てに辿り着いた『理事長室の扉』は、無駄に大きく、

 その荘厳さに、根が小心者のジバは、普通に圧倒された。

 気合いの入り方が違うビシャは、スンとすまし顔。

 ……そんな二人の顔を見比べつつ、


(同じ血が流れていても、性格ってのは、全然違うもんだよなぁ……俺は兄弟がいないから知らんけど……もし、仮に、兄弟がいたら……全然違う性格になっていたのかなぁ……それとも、ちょっとは似るのかな? ……似ている兄妹とかいたら、終わっていただろうなぁ……俺みたいなのが二人もいたら、世界が耐えられんだろう。どう耐えられんか知らんけど……)


 などと、糞どうでもいいファントムトークを内心で垂れ流しながら、

 センは、その荘厳な扉をノックする。

 大きめのノックをしてから、数秒後に、


「入りなさい」


 という、とんでもなく偉そうな声が聞こえてきた。

 センは、


「はいりまーす」


 という軽いノリで、扉をあけて中に入る。

 理事長室の奥、

 机に腰をかけて、何やら書類にサインをしたり、判を押したりと、色々、お仕事をしている様子の理事。


 センたちの方には一切視線を向けず、

 書類と向き合ったまま、


「……この理事長室に入る時は……」


 ボソっと、前提を口にしてから、

 パチンと指を鳴らす。

 すると、センの頭部に、

 ガツンッッと、

 魔法のハンマーが振り下ろされた。


「うぉおっ、痛ったぁああああああああっ!!」


 と、魔法のハンマーで殴られてタンコブが出来ている頭を両手でさすっているセンに、エトマス理事長は、冷たい口調で、


「全身全霊の敬意を払いなさい」


 と、そんな言葉を投げかけてくる。

 いまだに、一度も、センたちの方に視線を向けてはいない。

 センは頭をさすりながら、


(マジか、このオバハン……殺したろか、オバハン……ナメんなよ、オバハン)


 心の中で、何度か宣戦布告してから、


「……い、一応、言っておきますけど、俺は、クロッカ様の配下ですよ」


「それが何?」


「……いきなりの暴力等は、さすがに不愉快なので、クロッカ様に報告して、色々と対処してもらったりとかすることにもなりますけど、大丈夫そうですか?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ