表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

185/210

185話 現実。


 185話 現実。


 クロッカは色々な意味を含んだ質問を投げかけた。

 それに対し、センは、


「本音を言おうか? 俺は、お前みたいな、大人をナメたガキが嫌いだ」


「……」


「現実を教えてやる。受け止めろ」


 そう言いながら、

 クロッカの腹部に、さらに、追撃の閃拳をぶちこむ。

 とんでもない火力の一撃を受けて、

 クロッカは、ガクっと膝から崩れ落ちた。

 いい位置に堕ちてきたクロッカの頭……

 センは、


「ボールは友達ぃいい! 相手のゴールへシュゥウウウ!!」


 などと叫びながら、クロッカの頭をサッカーボールに見立てて、

 思いっきり、シュートキックをぶちかましていく。


 ガツンと脳が揺れるクロッカ。

 普通に失神しかけていく。

 文句も言えなくなったクロッカ。


 まだまだセンの猛攻は止まらない。

 そこからも、センは、クロッカをボッコボコにしていく。


 クロッカを容赦なくボロ雑巾にしていく様子を、

 ルーミッドは、黙ってみていた。

 見ていることしか出来ない。


 ……センは、『とにかく止まらない猛攻』で、クロッカをグチャグチャにすると、

 最後に、


「とどめだ。ワガママお嬢様よぉ。短い人生だったな。まあ、俺の人生と比較したら、誰もかれもが、ウスバカゲロウみたいなもんさ。大差ねぇ」


 などと言いながら、

 クロッカの首を掴み、


「万力ランク8」


 圧縮系の魔法を使って、彼女の首をガッツリとへし折っていく。


 ギギャゴォっと、骨が砕ける音がして、

 直後、クロッカの両腕両足は、ダラリとして、そこから、ピクリとも動かなくなった。


 クロッカをフルボッコにして殺してしまったセン……

 の背中を、ルーミッドは、先ほどよりも、もっと呆けた顔で見つめていた。


 センが、クロッカの死体を、そこらに放り投げたところで、

 ようやく我にかえったルーミッドが、

 センに、


「こ、殺した……のか?」


「自分で確認してくださいよ。ちゃんと死んでいますから。あなたのお望み通り、クロッカは死にましたよ」


 そう言われて、ルーミッドは、クロッカの死体に近づいて、

 彼女がぐちゃぐちゃになっていること、

 そして、息をしていないこと……

 その両方を確認すると、


「……ほ、本当に殺しやがった……それも……躊躇なく……」


「まあ、そりゃ、そういう試験なんで。俺は、あなたに命じられてやっただけ。つまり、俺は何も悪くない。幼女を虐待したのは、あくまでも不可抗力。悪いのは、あなた。俺は無罪」


「クロッカ様は……お前の飼い主だぞ……それも……龍神族の……それを……」


「分かっていますよ。もちろん。そして、あなたもそれをわかっていた。というわけで、悪いのはあなたです。クロッカ様が死んだのは、あなたの責任です。もちろん、俺にも、多少の責任はありますが、しかし、一番は、やはりあなたです」


「……」


「まあ、そんなくだらないことはともかく……俺は合格でいいんですよね? これで、俺は特級合格でしょ? そうですよね?」


「……」


「どうしました? なにを呆けているんですか」


「こんなことをして……ただではすまないぞ」


「まあ、お互いに、ただではすまないでしょうねぇ。けど、しょうがないでしょ。そんなことより、質問に答えてくださいよ。俺は合格ですよね? クロッカ様を殺したら合格……そう言っていましたもんね。ほら、ご覧のとおり、完璧に死んでいますよ。俺は、ちゃんと殺しましたよ。これで、俺が特級合格であり、かつ、世界最強であることが示された。こんなに嬉しいことはない、イエィ!」


「……クロッカ……様は……お前に攻撃していなかった。毒や麻痺で動きを止めようとはしていたが、お前の命をどうこうしようとは……一度もしていなかった……どれだけボコボコにされようと……」


「ああ、そうみたいですね。だから、楽に殺せましたよ。クロッカが本気で俺を殺そうとしていたら……流石に、まずかったでしょうね。俺様は最強ですが、クロッカレベルが相手になると、流石に無傷ではいられない。……まあ、でも、そんなことはどうでもいいんで、さっさと、合格判定を――」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まぁ、、流石に反魂の神聖式かな、、てかこの時点のセンって反魂使えるのか?割とさっくりお手軽蘇生術なイメージが付いてるwこの時点のセンは理不尽に対抗するために蘇生系統は割とすぐに極めたのかな?それとも自…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ