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147話 何もわからないバカども。


 147話 何もわからないバカども。


 なんでもありのルールで『ガチンコの殺し合い』をした場合、龍や鬼でも、完封されてしまう可能性があるのが、不死種の怖いところ。

 よって、数値的には、『センエース(存在値500)』の方が上回っているが、

 だからといって、油断することは全くできない。

 ハメ技的な即死系の魔法やスキルを使われて、初見殺しされる可能性は十分にある。


(さあ、どうする……対応を間違えば……俺もこいつらも全員死ぬ……こいつらが死ぬのは最悪、別にかまわんが、そんなゲームオーバーみたいな終わり方は、普通に気分が悪いし、プライドがゆるさねぇ……どうする……どうするべきだ……)


 と、対応策に悩んでいると、

 そこで、死羅腑が、右手をスっと上げて、


(――爆裂・死龍波ランク16)


 無詠唱かつ不可視化状態で、イカれた魔法を放った。

 センは、


「うぉお! マジぃいい?! クソがぁあ! 霊甲聖壁ランク20!!」


 本気で防御魔法を展開していく。


 力を隠している余裕がない。

 下手をしたら、マジで殺される。


 ちなみに、センが必死に展開している魔法のエグさを理解できる者は、ここにはいない。

 霊甲聖壁は、壁系のバリア魔法なので、見た目的な派手さはない。

 だから、見ただけでは、その凄さなど伝わらない。

 かつ、死羅腑の魔法が無詠唱&不可視化状態なので、

 周囲の者の目には、

 『センが、急に、ありえないランクの魔法を叫んで、謎に、防御魔法を展開させた』

 としかうつっていない。


 ゆえに、ケイルスが、冷めた顔で、


「……あんた、何がしたい? ランク20の魔法など、この世にあるわけないだろう」


 ケイルスの視点だと『ランク20の魔法』は、『時速3000キロのストレート』みたいなものなので、ハッタリどころか、冗談にすらなっていない代物。

 ケイルスは、心底呆れた口調で続けて、


「……というか、スケルトン相手に防御魔法など必要ないのだが?」


 などと言われたセンは、


(現状が理解できないバカどもがぁ……必死に頑張っている俺を、痛い厨二でも見るような目で見てきやがってぇ……)


 センエースと死羅腑のぶつかり合いは、

 あまりにも別格、高次元の領域すぎて、

 この場にいるザコどもの目や頭では、

 到底、理解することなどできようはずもない。


 ――『センのバリアによって完全に防がれた』と理解した死羅腑は、

 両腕に魔力を込めて、


(貫通・紫腐槍ランク16)


 『センのバリアを貫通すること』と『貫いたあとでセンを腐らせること』を目的とした、凶悪かつ無慈悲な魔法。

 それも、当然のように、無詠唱かつ不可視化状態。

 『あまりにもヤバそうな、紫のオーラをギュンギュンに放っている魔法の槍』を発射する死羅腑。

 センエースという、『格上の超越者』に対する、あまりにも的確な対応。

 不死種の上位種は、『ただ暴れるだけ』ではなく、常に、『敵を殺すため最善の行動』をとろうとしてくる。

 ファミコン時代の安いAIのように『無作為で行動を選択』したりはしない。

 知性の高いモンスターは、この辺が一番厄介なところ。


 ――放たれた『腐敗の槍』……その性質を、センは、


(……属性は貫通と腐敗っ! 適切な対応だぜ! 流石、有能だ!)


 一瞬のうちに見抜くと、

 自身も、爆速の無詠唱&不可視化状態で、


(牢獄雷鎖ランク18!)


 腐敗の槍を、『見えない雷の鎖』で捕縛し、


「どらぁああああああああああああああああああああ!!」


 『闘神クレ○トスがブレイズ○ブアテナを振り回しているシーン』を彷彿とさせる、過剰に脳筋な荒々しさで、

 センは、『雷の鎖で捕まえた腐敗の槍』を、死羅腑の脳天めがけてたたきつけようとした。

 ……が、脳天にブチ当てる直前で、死羅腑が、


(っ……影泳ランク15っ!)


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