表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/211

131話 疑似スーパーゴーストカミカ○アタック。



 131話 疑似スーパーゴーストカミカ○アタック。


 ルーミッドにボコられているヤンを見て、

 センは、一瞬、手を貸そうかどうか迷ったが、


(……これは……んー……まあ、自力でやらせた方がいいかな……)


 ヤンの担任としての判断を下していく。


 離れていくセンを見て、ヤンは、


(……どうやら、セン先生は、手を貸してくれる気がなさそうだな……あの人、そういうところがあるよなぁ……優しいところもあるんだけど、厳しいところがシッカリしているっつーか……はぁ……まあ、仕方ない……自力でどうにかしよう……先生は、たぶん、『俺なら自力でどうにかできる』と判断したから、離れていったんだろうし……)


 決意を固めると、ヤンは、


「分身ランク1!」


 なかなか高度な魔法を使っていく。

 相変わらず、高ランクでは使えないが、しかし、使える魔法の多さや品質に関しては、実際、なかなかのもの。


 ヤンの分身を見たルーミッドは、心の中で、


(ふむ……正直、カスみたいな分身だが、しかし、分身が使えるというだけで、評価には値する……こいつは、流石に合格だな……)


 ヤンに合格の判を押したルーミッドは、

 ヤンに攻撃するのをやめて、別のターゲットを潰しにいこうとしたのだが、

 しかし、そんなルーミッドの心境の変化が正確に分かるはずがないヤンは、


「霊甲ランク1!! 光壁ランク1!」


 分身に防御系の魔法を多重にかけて、かなり硬くした上で、


「いけぇえ!!」


 と、突撃させる。


 ルーミッドは、


(……器用なガキだ……)


 と、さらにヤンを評価しつつ、

 襲い掛かってきたヤンの分身を蹴り飛ばす。

 霊甲と光壁の魔法で、かなり硬くなっていたので、一撃では粉砕できなかった。

 とはいえ、ルーミッドの一撃を受けているので、まあまあ虫の息。

 次の一撃で消滅させられると思ったルーミッドは、

 そのまま殴ろうとした……が、

 そこで、

 ヤンが、


「今だあぁ!!」


 そんな彼の号令に従い、

 ヤンの分身は、


「自爆ランク1!」


 ドガァアアン!!

 と、強烈な爆発。

 なかなかの火力だったので、ルーミッドも無傷ではいられなかった。


 その光景を見ながら、センは、笑って、


(ははは……『疑似スーパーゴーストカミカ○アタック』だな……クラス対抗戦前に俺が教えた面白ロマンコンボを、ここで試すとは、なかなかの度胸じゃねぇか)


 自爆コンボで、普通にダメージを受けたルーミッドは、


「……治癒ランク4」


 なかなかの回復魔法を使って、

 自爆で受けた傷をいやすと、


「……タイムアップだな……やるじゃないか。もちろん、言うまでもなく合格だ」


 そう言いながら、ボリボリと頭をかいた。


 自力で合格をもぎ取ったヤンは、

 その場でしりもちをつき、


「ぷはぁ……」


 と、深く深呼吸をした。

 そんなヤンに、ルーミッドが、


「悪くないぞ、お前。もっと精進すれば、それなりの地位にいけるだろう。将来的には……まあ、三級ぐらいはとれるだろうな」


「……ありがとうございます。光栄です」


 ★


 最終的に、六級試験をクリアできた人数は500人。

 残っているのは、大半が、魔術学院の卒業生であったり、高位の冒険者だったり、国の重要な役職についている超人だったり。

 この六級試験では、魔術学院の学生も、ちらほらと落ちていた。

 1組は誰も落ちていないが、2組からノイラという女学生が1名、

 そして、3組からは、内気担当のハプと、ギャル担当のレクが落ちた。


 2組のノイラは、存在値的には合格ラインに達していたが、彼女のビルドは『腕力や体力よりも、知性重視の後方回復担当型』だったので、今回のような、単純な根性や体力や俊敏性を求められる試験は不得手だった。

 ハプとレクは、まっすぐな実力不足。

 彼女たちも、センの教導を受けているので、

 センが赴任する前よりは強くなっているが、

 元が大したことない二人なので、この辺が限界。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ