第三週 執筆再開、新たなる展開
十五日目
結果から言うと、便は出なかった。下剤、またも意味なし。苦境に立たされた私は叫ぶ。
「お浣腸を……お浣腸をしてください!」
どんなエ〇ゲだ。しかしこの浣腸がまた辛くて、一日液体の残りカスみたいなのが出続けるハメに。
この異常なまでの便秘体質も入院してから特有のもののため、医者になんとかしてほしいところだ。
十六日目
世間の急速なコロナ感染拡大に関係してか、PCR検査が一斉に実施された。これに伴い比較的自由だったマスクの着用も義務付けられた。久々につけてみると息苦しいものである。
またこの検査が終わるまでOTが中止となり、朝の楽しみを失ったことに悲しみを覚えた。
加えて土曜に注文した三色ボールペンなどの日用品が届くのが木曜日だと知ったのもショックだった。
しかしテレホンカードだけ手違いで何故か今日届いた。一体どういうことなのだろうか?
十七日目
昨日だけでなく今週コロナ検査体制は続き、したがって今週中OTなしの報はショックだった。
火曜日なので入浴したが、替えのパンツがないことが問題になった(前回は貸してくれたのだが、今回はなかった)。
仕方なくトランクスを購入せざるを得なかったが、ボクサータイプでないのが不安だ。
この後自宅の鍵が締まっていると連絡があった。しかしはたして私本人が閉めたのだろうか? 疑問は残った。
夜に自室のトイレできばって便秘を自力で解消したが、当然の結果というか、部屋のトイレが異常に臭くなってしまって困ってしまった。
十八日目
昨日のトイレが臭う。悪臭に悩まされる朝だった。換気扇くらい部屋についていてほしいものだ。
トイレを掃除してもらって数時間してようやく落ち着いてきた。
例のごとく訪問看護師に電話して家の事情を聞こうとしたが、詳しいことはこれ以上彼らにもわからず、したがってTS病院のケースワーカーに聞くようにと言われてしまった。しかし受付で聞くとコロナ検査体制中はケースワーカーに会えそうにないらしいのだ。困った話である。
十九日目
世間的には7/28である。そう、ぷにるはかわいいスライム一巻の発売日だ。特装版を予約していたの受け取れず返品されてしまうと思うと悲しくて仕方がない。10月のねんどろいどモニカに間に合わないかもしれないと思うと悪夢である。一刻も早く退院したい。
さて主治医の三回目となる診察があった。今回は薬をガラッと変えることになった。また寝る時の痛みに関してはリウマチの可能性が示唆され、レントゲンを撮ることになった。はたして治るかどうか不安で仕方ないが、進展があるのは良いことだと思えた。
そして日用品の三色ボールペンがついに届いた。安物のペンと違ってちゃんと書ける! くノ一忍法帖を読み終わったこともあり、執筆を再開することにした。
二十日目
相変わらず便秘のため朝から下剤を通常の三倍飲んだ。そして昼頃には便秘解消と相成ったが、かなりきばって出したために下剤の効果なのか努力の賜物なのかわからない。
この日の大きな出来事は突然個室から四人部屋に移動になったことだ。これが堪らない。同居者のいびきや屁の音が聞こえるというのは。退院に一歩前進と職員には言われたが、あまり嬉しくなかった。
二十一日目
かくして四人部屋に移って、こんなところで寝られるか! と思ったが、眠ることは一応出来た。で久々にDDLC(ドキドキ文芸部)の文芸部員が出てくる夢を見た。ナツキとデートしてたのは覚えているが、他の三人も目にしたと思う。ああ、彼女達が恋しい……。
朝にCTとレントゲンを撮るついでに職員からいくつかの質問の解を得る機会があった。他に女性病棟などがある、屋上は洗濯物を干していて入るには特殊な鍵が必要など。精神病院を舞台にした小説のアイディアに活かすつもりだ。
今日は入浴の日だったがあんまり長く居座っていたので注意されてしまった。垢を落とすのに時間をかけすぎた。
万年便秘だったのがウソのように便が出るようになったのは整腸剤を飲むのをやめたからなのか、代わりに下痢気味になったのはそれはそれで嬉しくないのだが。
五時頃食堂に行くとたまたまテレビでウルトラマンの番組がやっていたので見てしまった。内容は歴代シリーズ紹介と初代ウルトラマン一話であった。
次回 第四週 恐怖のコロナ陽性