第十二週 変態との遭遇、そして退院へ
七十八日目
N氏には絵心があり私の似顔絵を描いてもらった。こういう機会はそうない。
トイレに行ってる間に新しいガンダムが始まってて前半見逃した。10月からと思ってて完全に油断してた。退院が間に合わなかったな……。
晩御飯の後歯磨きしようと洗面台に行ったらそこに放尿してるおっさんがいるのを目撃してしまった。目を疑った。常識外れだ。信じられない。そんなことをする奴がいるなんて。精神病院には異常者しかいないのか?
七十九日目
帰りのタクシーを予約しようと電話したら、退院時の支払いがどれくらいになるかわからないからタクシー代払えるかわからないと言ったら予約を取り消された。当日になってみないとわからないな。残金によっては電車で帰ることにもなりそうだ。
OTで鬼滅の刃を六巻まで読んだ。
昼に病院のケースワーカーが来て少し連絡事項を伝えられた。
退院間近なのに三色ボールペンの黒がまた死にかけになった。一体何本使い潰しただろう。結局三色ボールペンを買った。
またN氏の絵のモデルになった。
八十日目
いよいよ明日退院だ。楽しいこともあったが苦しいことの方が多かった。結局寝る時の体の痛みは原因がわからぬまま、中途覚醒も解決せずの退院である。現代医学はたいしたことがないというのが結論である。このまま病院にいても仕方ないから退院するのであって退院後の生活の不安もある。だが病気と付き合ってやっていくしかないだろう。
地元のケースワーカーに電話して退院することを伝えた。
OTで鬼滅の刃を九巻まで読んだ。もっと時間があれば鬼滅を読みきれたが仕方ないだろう。
入浴日なのでお風呂に入った。入浴は週二日なんて不潔な生活とももうすぐおさらばだ。
将棋が強いおじいさんと将棋・オセロをやったが両方とも負けた。最後までこの人には将棋で勝てなかった。
八十一日目
いよいよ退院当日だ。約束通りN氏に上履きみたいな靴をあげた。隔離されてるM氏にドア越しに別れの挨拶をした。これでもう病院でやることはなくなった。
10時過ぎると預けていた携帯や鍵などを受け取り、看護師と共に病棟を出た。そしてお金を受け取って一人になった。タクシーを呼んで最寄りのJRの駅まで行き電車に乗って地元の駅まで行き、またタクシーで家まで帰った。
これにて81日間の入院生活は幕を閉じた。長かった。ずっと一人ぼっちのままなら耐えられなかったかもしれない。M氏に感謝。そしてこれを読んでくれた方がもし精神病院に入院することになった時にタメになったら幸いである。
ここまで読んでくださってありがとうございました。




