表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日傘の女

作者: 紫 李鳥

 


 足腰が弱くなって、めっきり出歩かなくなった妻は、二階のテラスから外を眺めるのが日課になっていた。


 その理由は、軽快に歩く、日傘の女を見るためだった。


 顔は見えないが、明るい笑顔が想像できた。


 散歩だろうか、買い物だろうか、いつも日傘を差していた。


「ほらほら、あの人よ」


 たまたま居合わせた夫に教えた。


「ほう。確かに軽やかな歩き方だ」


「私もあんなふうに歩けたら、散歩も楽しいだろうな……」


「うむ……」




 ところが、それから間もなくして、パタッと日傘の女を見なくなった。




 数ヶ月後。妻は、スタスタと軽快に歩いていた。






 生き生きと楽しそうに歩く妻を見て、外科医の夫は喜んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] えっΣ(O_O;)! 最後の一文が怖っ! 外科医の夫ね……外科医。日傘の女性は、つまり……(;¬_¬) ほのぼのする雰囲気はヒューマンドラマのようだと思えば。短編で、ここまでハイレベルな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ