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三
博打はしばらくしたら始まる。
「大丈夫、追いついた」
サキの涙がようやく手につく。
「あはは、私、何回目かな」
「さぁ?」
最後の博打はどうやら盛大に行われるらしい。大きな台が回っている。
「泣いて泣いて泣いて、ずっとだよ、博打のせいで……ずっと」
うるむ目から涙が落ちる。
俺は袖でサキの涙を拭き取る。
「博打も終わる、チャイムはもうそろそろさ」
涙、涙。
「やぁい、博打野郎ども、チャイムがなるぞ!」
悲鳴が鳴る。
「かけ離れた時間か……」
「さぁな、案外、短いかもしれない」
扉の前に立って、ガタガタながらした。
「お前ら!さっさと座れ、チャイムがなるぞ」
先生が何気なしにやってきて、そう言った。