永遠の国
「ああ、泣きだしそう」
その人音は、真っ暗な虚無に浮かんでいるあの透明な硝子からなのである。
真空なので、直接に伝えることがなく、電波の何らかの装置で私と交流ができたらしい。
背の後ろには、暗さ。唯一つ輝いているのは、太陽の他、月というものらしい。
私たちがいるのは遠く、遥かな、ところなのだ。
見えにくすぎて、太陽は一眼で見えても、布の小さな洞のような瞬きがする。
彼女は硝子を通って、身後ろにあるある丸いものを眺めている。
彼女も同時に、頬で何かが流し出したみたい。
とてもまたたいている、まるで何かの星のようだ。
これが多分人が呼ぶ「涙」というものだろう。
覆われているので仕方がない。しかしきらきらするのがよく知っている。
あれは、透明、あれは、星の瞬きのような ——
様子の可笑しい服を着ているから、とても体の姿を見ることができない。しかし人類の見方から見れば、いい体だとは思う。
私は彼女のハダカを見たこともある。しかし彼女は気に入らない。なんだろう、不思議でも程がある。あくまでも私も一人の■■■■なのだから。
「いやだよ!」と叫ぶ。
捻った眉。顔が全部一つにねじって、本来美人だったのに、このような様子になって、どう見ればいいの?
十六才の彼女は大美人である。墨のような黒い髪、とその髪が自然にもたらす香りがする。眼鏡はかけられて、知性的なイメージがある。減点だという見方もあるけど、私的には減点ではない。
水が浸んだような肌、皮膚を通る赤みが見えるようになる。両足が末端まで貼り付いているのなら人魚が見えてきたようだ。彼女の胸は激しい勢いがない。丸みの富士山の方が適切かもしれない。
そして、背の後ろ、髪の下、首の位置では黒い痣一つある。
彼女もまた、あの遥かな星の元を見詰めている。
見ているのは彼女だけだから、事実そのものが孤独すぎてしまう。
データによると、あの星は昔、もっと綺麗だったらしい。
むかし、その星では、多くの生き物、多くの動物や植物がいた。
猫、犬、獅子、虎、鼠、豚、羊、林檎、檸檬、梧、楓、茸………
「星のお姫様、なぜお泣きになったのですか。」
星のお姫様という言い方は少し可笑しいとは思うけど仕方がない。今の限り他に「ひと」と呼べるものは一切いない。私が見える範囲では、彼女一人きりだ。たとえかつて本当に「姫」や「王子」などのものがいたとしても、今までこの旧俗を保つ意味などもない。この子を「姫」って呼ぶのも、私的には合理的だと思う、
私としての一言、せめて事情の経緯を聞かざるを得ない。
だが彼女は思った程より暴躍し、私を非難する。
「おまえ、聞いていなかった?私が全部オマエにゆったことがあるよ!?」
「ああ」
混乱してしまう、私はその記憶はない。むしろ、私は意識を持ち始めたばかりなんだけど。いや、違う。私は彼女のハダカを覚えているのなら、私は少なくとも何かを思えているはず。私も無意識的に彼女に敬語を使うのも、彼女を私の主人だと認識しているだろう。
そうなるとこれが本当に私の悪いになる。
「ご迷惑をかけてしまいまして申し訳ございません。私はその記憶がございませんで………データが混雑しているから探す時間が………」
「いいでしょう、もう一度、そして最後に、教えてあげましょう」
その時彼女の情緒がまた変わって、泣き気がする。
突然的に暴走し、そして突然的に平和に戻す。彼女はその天性ではないと確信している。
その泣き顔が可愛すぎて、怒る顔も同じぐらい。でもやっぱり、私は彼女の笑い顔が好き。怒っている時は第二だと思う。
あれは、ちょうど二週間前のことでした。
◆
私の父であるかつて「地球」という星の統領者の中の一人は、地球が最後に二週間の生命しか残っていないと判断した。
数少ない人間として、私たちは最後の生き残りだ。
「ははは、ならいい、私たちは聖書の再現をする。君、科学技術部の趙、一千万人を載せられる新・ノアの方舟を作れ!」と命じる金髪の大統領。
命じられた趙は、私の父田中の同級生で、仲がとても良かっただが、最近は少し喧嘩をしたので話をしたくなくなってしまっていた。しかし科学芸術部の父も協力をしたのだ。
デザインが一周で完成し、建築が三日ほど終わる。
父がデザインした外観は、綺麗だ。
聖書での外観とは全く別物とは言えないが、完全な現代風な物として扱えるのだ。普通、私はこのような機械的なものを好めようとしても好めない。
これは、小さな地球のような外観だ。舟全体が真っ丸で、外に飾られたのは青、緑、白など、地球穏やかな色なのだ。飛行するには、変形すれば良い。外にも漂っているベルトがあり、あれを利用すると飛べると父から聞かれた。
そして、私たちは入って住する。
私は、あの「畜生」たちが可哀想すぎたですから、でも………
話を続けよう。
三日前、金髪の人たちが中に入るあと、私たちと趙も登船した。
この小さな地球の舷窓を通ってみると、私は外、黄色き砂の嵐に嫌悪を抱えている。
ささ、ささとなる風。
背景には高い鋼の建物が立たれている。
私の憩室は、地図によればオーストラリアの位置だったらしい。
私は一つのものしか選べない、だから私は、父が作り上げてきたこの小さなロボットを選んだ。
これは、父の秘密な研究成果だ。父は地球の所有書籍、映画、文物、陸標などを、データの形でこのロボットの脳の中で拵えている。
いや、「のう」という言い方が不適切すぎる。
ロボットには心や脳などのものはないはずだ。
人間は幾星霜を費やし、挙句に決して人の心を再現することができないという結論は下された。
私はおまえとよく話す。今は覚えている?
(覚えていないのでごめんなさい)
ま、どうせロボットなんかは記憶や意識などがない。
かつてもおまえと話したが返事が毎回同じだ。
データデータばかり。ロボットなんか意味がない。
私一人だけ生き延びたとしても意味がないから。
父さんは、何を考えているんだろう………
あげく、私は集合する時に寝過ぎっちゃって。
だがこの挙動が塞翁が馬になってしまって、私だけの寝室が完整に保留されてしまった。
先は、いや、確か昨日かな?とりあえず今はこのような状態になった。私はどこにも行けない。
帰れる場所、あの宇宙船と本物の地球が全部消滅された。物資は残られているから私だけが生き延びて死す。お前と余生を過ごす。
わかった?
◆
なるほど、わかると思う。
「星のお姫様、事情は全て了承いたしました。これからはご遠慮なく私に指示してください。」
というのは、本来設定されたセリフだった。
私は、それをいうという衝動を我慢し、自分の意思でこういった。
「いいえ、星のお姫様、お諦めにならないでください。私の技術では、人類をお保存することができますので。」
「えっ?」
と呟く彼女。
瞳が拡大し、全身が怯えるようになる。
「うそ、ほ、本気?」
まだ信じられない彼女は、全身で私を疑っている。
「前と違うじゃん」
「お失礼でございますが、私は今意識をおもち始めたのでございます」
という明白すぎる事実。
私は確かに自分はいろんなことを覚えているのを知っている。私も私の手のひらで私が記憶しておいたものを再現できる。と私は彼女に伝わる。しかし、唯一確定できないのは、2050年後のこと。
「だが今私的には不明瞭な点が多いでございます。まず、データによれば地球の人口が一百億人もお超えになりましたので、なんで一千万人の方舟をお作りになりましたのでしょうか」
「それと、ここではそう語ったこともあります。2050年で人類は戦争を回避し、全人類の統一化を達成しました。しかし自分は過去二千年、いいえ、正しく言えば五千年の歴史をもご覧になりましたこともありました。どう見ても流石に無理ではありませんかとは私的には思います」
「第一の質問は後で言う。第二の質問に答えする」
彼女は軽蔑するようにいう。
「これもひとつの確かめになるよ、お前が本当に『ひと』の知恵を持っているか否かを」
私は困惑である。でも私は私の顔がそう表しているかどうかは知らない。
「はい、お語りになってください。」
「おまえが貰った資料は、全部真実の歴史なのか」
「いいえ、私が記録したものは、歴史そのものではなく、各歴史評論家の見方である」
「それでいい。ならばなぜこう言う結論があるの」
「私は勿論歴史を見ています。しかし私が見た『歴史』は人々がまとまったものです。人である限り特定の『中心』からみることを避けられません。あるいは、一つの立場を選んでその見方からみることしかできません。これが存在する上でいかなる『記録された』歴史は歴史そのものでなくなる。むしろ、『歴史』そのものは勿論存在しておりますが、私たちはまず言語を持ってその真実なるものと距離を作り、自分も自分の評価を生成するのである。ラカンの理論から説明すれば現実界・象徴界と想像界でしょう。ならば、自分で自分の判断をし、他の人が投入した観念をタダで記憶せず、自分の考えを生み出すことができると良くないと言うわけでもないのではありませんか」
私の話が終了し、彼女は口を開く。驚愕しすぎて凝止したようだ。
「なによ、山より大きな猪がないと思ったけど、今回は見直す。少なくとも、あなたはしゃべれるよね。そして、本当に考えられるよね」
「疑問を抱えていても当然だと思います。私は考えられると期待されていないからです。」
「じゃ、どうやって生き残るの?人類の文明をもう一度作るのは、生命、星、文明の残りなど………」
「それはご心配なく。ご存知の通り、私は文明のあらゆるデータを記録しています。星は探せば探せます。私の技術では、いいえ、私の脳では、考えれば高速の宇宙船が作れます。最後は生命の方なんですが………」
彼女の顔は真っ赤になって、顔を右に横して、話したくなくなっていく。
「とりあえずご心配なく、私はその後のことは知りたい。なぜあなたたちは他の人を捨ててしまったのですか」
「はいはい。詳しいのは父が知るけど、私も道聽途説から知ったのもで、信憑性は保証できない」
「はい、どうぞお語をお始めになってください」
◆
あれははるか昔まえのこと。
2050年。
人類が物理学の大停滞に遭遇し、物理を研究する人が他の学科に移す。あらゆるものに規則があると言う信念をもち、彼らは人文学科や社会科学のあらゆる分野に入る。
よって数学や物理に対する信念が、人を制御する方になる。人間の多くは毎日眠り・働き・遊ぶと言う循環を繰り返す。
その後、貴族たちはその危険性を意識し、自分の子供たちを、そのようなことと接着しないようとしている。
かくくには違う方法でこのような現象と止めておきたい。しかし不思議なことが現れる。脳科学の発達により、人の脳でエネルギーを搾り取ることができるようになる。その方法は、人をゲームするようにする。人間たちはゲームするうちに幻夢をみたようだ。私の父は、あの時代の研究者の一人である。貴族になるか、あるいは凡人でいられるかという選択の前に、父は迷わずに前者を選んだ。それを通って少なくとも自分は最後の知恵を保つことができる。
父はセルフィッシュで仕方がないかもしれない。しかし、民たちに披露しようとするものの全部が暗殺され、これを見ている父は加入すると選んだ。
悪い、人かもしれない。だが彼がいる故に、わたしは生き残れる。
食べ物、住所など一切考えなくてもよい。人類は全身を科学技術の研究になれば良い。セイフは存在するものの、統領たちが一致になり、誰も同じルールを保つ「貴族統制階層」になる。
「あいつらは可憐だった。人は自分の進む道を選ぶとは言え、彼らは新たな情報にあう前に、十分な自由はモアちろんないのである。」
父は私だけと話したこと。
私も父の影響を受け、あの人たちが住むところ「ブタヤ」を見たことがある。
あれは、生きている地獄。
二度とは見たくない。
誰とはなさたくない経験。
貴族たちは、私たちの学校にそう行ったことがある:
「私たちは上等な『ひと』なんだ。ダーウィンの進化論によれば、良いものは生き残る、よくないものは生き残れない。優等な人は私たち、故に私たちもその責任を担え、彼らのエネルギーを使うならもっと技術を発達し、一緒に宇宙の彼方へ至れるという結末を求める」
なんて、いいことば。
多くの人はそのまま学び、生き、働く。私も一度父を反対したことがある。
本を読んだの。禁書という本。だからわたしは認識した。自分の観念が他の人と違うという事実を隠し、自分が一方でその信念を固める。
そうそう、ちなみに、わたしは2170年生まれなので、私は父が知るあらゆるものをいう。私の父の寿命も過去の人間とは違う。彼によれば、過去の人間と今の「畜生」は、70年ぐら生きれない。だが彼はもう百年以上生きてきたんだ。私も千年生きれるって聞いたんだけれど、いまはただ十六歳なので感覚はない。
宇宙船の技術はその百年間で得られた。突然しすぎたから、宇宙人からたすけられたという説もある。
『ちなみに、貨幣というものは』
ああ、あれか、あれはとっくになくなってしまったのよ。誰も貴族だから、あんなものは必要じゃない。
で、本題に入る。なぜ残った約一百億人を連れていかないのかというのを。答えは簡単だから。虚偽の世界にいる限り、彼らはこの期間にエネルギーを提供できる。世界が破壊されたとしても、彼らの精神はサーバに拵えている。ある意味では「永生」かもしれない。あなたとはとても似ているじゃない?
(いや、全然違うんじゃない?)
私も残念だと思う。地球が自爆してしまう後、彼らの肉体は滅ぼされ、象徴的に生きているだけかもしれないと思う………
これらの人は、諦められた人よ。おまえもわかるのでしょう。
逃げる術がない。騙されていたようだ。貴族たちは自らのために何もせずに誤魔化してくれる。この時点では、あいつらを夢の中で喚起しようとしても、あいつらは起きることなどないでしょう。
でもこれが故に、私はいつも罪悪感を抱えている。矛盾な見方もある。
◆
そのものがたりに対して、疑問がもっと湧き出してくる。たとえば、ホントウに誰も反抗できないというより、誰も反抗をしないかということなのだ。かつて素晴らしい文明を作り上げてきた人類の全体が、本当に自分の自由を諦め、自分をゲーム世界での楽に溺れて死ぬの?
「反抗?いいえ、ひとたちは反抗しない。彼らはね、あの世界では何もある。貧乏なのは彼らの現実。いや、彼らにとって、こっちの方が悪い夢のようだ。おまえのデータベースとは違って、彼らも同じくデータベースがあるらしい。彼らのデータはあそこに拵えている。冒険者・詩人・魔王・ロリ・スライム・猫・巨人………おまえのデータでのあらゆる可能性は、彼らの中に実現されている。私は父との生活は好きですから。ちなみに、彼らは父や母はいない。生物学的な父や母はいるが、生まれてから社会機構に連れられ、一緒に公式的に養うのだ。彼らにとっての学校は貴族の学校とは全然違うの。彼らは、貴族の目では、ものに過ぎない。白紙のようなもの、どんな人でも彼らの運命の描き直すができる。絶対的な断決とはそういうもの、貴族は絶対的は貴族であり、人口さえ抑えている。あらゆるものが精密に計算され、この世に残る過ちは誤差にすぎることがない」
わたしは信じたくない。私が知る歴史は、人が不幸と思うたび反抗するもの、不公平ならば新しい物を作る。これが私が知る人類。これが私が設定されている感情のようなものかもしれない。
この時点では、私は、私がその所謂「貴族」たちより、もっと人的なのかもしれない。
◆
生きて、すてて、生きて、また蘇って死んで。
「星のお姫様、あなたは例外だと思う。あなたなら、人類の文明を甦らすという可能性があると思います」
「どうやって?」
「偶然かな、あなたしか生きていないことも」
「たしかに、しかし父もとてもいい人なのよ」
彼女が再び悲しみに堕ちる前に、なんとして止めなくちゃ。
「私は、お姫様のちちが作ったロボットでしょう?ならば、私には、お姫様の父が期待していることがある。例えば、本当の人類の知恵とか」
「あなたのうちにある?」
「私が今しゃべったり考えたりしていることがその証」
不信を表し続く彼女。私は、それに対した解決策がある。
私はわたしの「眼球」を通って、彼女、および彼女の背後ろの、地球と『地球』の残骸を『みる』。
漂っている姿。私たちは海藻のように、渦にあうたび強いて反抗することができない。でも一つだけはできる。あれは、彼女を『モト』として、人を、新しく———
◆
「ね、わたしは、恋をしたいの」
「はい?」
抱きしめる、二人の女の子。
なんと、いいことよ。
◆
星のお姫様の父の日記、一部:
ロボットはやはり、陰形なのはいい。陽形のはコントロール、制御などのファンクションだけ。最も適切なのは………やはりこれ!2936型。