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「そうと聞いたら頑張ってみるか」


俺もクリスやコーデリアさんたちには傷ついて欲しくないからな。


「そうか!ありがとう!」


王は礼を言ってくる。


「いや、まだ完全に実行できると決まった訳じゃないぞ」


俺は一応出来ない可能性も有るという事を王に伝える。


「それは分かっている…だが礼は言わせてくれ…それに、ユウヤ殿が出来ないとなればこの世界にどうにか出来る人は居ないから、諦めも付く」


そうか…なら俺も全力で取り組まないといけないな。


「じゃあ始めるから少し離れていてくれ」


「分かった」


始めに王に邪神の力から離れる様に言う。


王が俺から離れたのを確認してから俺は行動を開始する。


「先ずは…」


この封印の全体を確認する必要が有るな。


この、暗闇の空間で見えるのは邪神の力らしき物に封印術式の様な物が絡む様に付いているという感じだが、他にもこの封印に関係している物がこの空間にあるかもしれない。


それが判明していない状況で封印を異空間に移動させたらなんらかの影響が出る可能性があるからな。


しっかり調査しないといけないな…


俺はこの空間の全体を把握するために光魔法で光源を作ることにする。


「ん?おかしいな?」


たしかに魔法は発動した…だが、何時もなら拳ぐらいの光の玉が出るぐらいの魔力を込めたにも関わらず、今出た光は米粒みたいに小さい光しか出ない。


「魔法を発動させるのを阻害しているのか?」


魔法は発動する…が、魔法の発動に必要な魔力量が大幅に上がるということか。


俺は確認の為に何時もの大きさになるまで魔力を出しつつ、光魔法で光源を作ることにする。


その結果、いつもと同じ効果が発動するのに必要な魔力量は約50倍だという事が分かった。


これほどの魔力阻害があるならこの部屋の中では並大抵の人では魔法を発動させる事すら出来ないんじゃ無いか?


今の俺の様に光を灯す魔法ならともかく、攻撃魔法は発動しても相手にダメージを与えられるか分からない。


この空間で戦闘をするとしたら最低でも5~10万ぐらいのMPが必要になる事だろう。


この空間自体になんらかの魔力阻害の効果が付けられているのだろうが、それは今は良い。


俺は手元に出した光を頼りに俺は黒い炎の周りを見ていく。


う~ん、封印の周りを見てみたんだが、やはり周りにある術式以外には何も無いな…


これなら邪神の力を封印している術式ごと異空間に持っていけば大丈夫だろう。


となると、問題は邪神の封印をどう守るかだな。


悪魔の中には異空間を移動できる奴がいるかも知れないし、ただ異空間に封印ごと移動させて放置という訳にはいかないだろう。


俺はどうしようかを考える…あの門の様に防衛機能をつけるか、それとも…


俺が邪神の力を狙う奴からどうやって封印を守ろうかを考えているとカツン、カツンと足音が響く。


「王、今対策を考えているのでもう少し待ってくれ」


俺に封印を移動させることが出来るかを聞きに来たのかと思った俺は王に向かって話しかけるが、王からの反応が無い。


「王?」


聞こえていないのか?と思い再度王に話しかけるがやはり反応が無い。


なんだろう、何故だか嫌な予感がする。


俺の言葉に反応しなかった王は歩みを止めず俺の側を通り過ぎる…


「まさか!?」


嫌な考えが頭に浮かんだ俺は急いで王を止めようとしたが…


パキン!


静かな空間に何かが割れた様な音が響いた。


邪神の力を封印している術式が粉々に砕けたのだ。


「しまっ!?」


しまった、そう俺が言い切る前に、ゴォォォ!という音と共に嵐の様な突風が俺を襲う。


咄嗟の事で踏ん張りが効いていなかった俺はいきなりの暴風に身体を浮かされ、そして吹き飛ばされる。


「ガハッ」


暴風に飛ばされた俺はこの部屋の壁にぶつかった様だ。


通常ならば壁が吹き飛び、衝撃は受け流されるのだが、邪神の力を封印する為に作られた部屋の壁はビクともしなかった。


そのせいで俺は吹き飛んだ衝撃をモロにくらってしまう。


暴風が止み、壁に押し付けられていた俺の身体は地面に落ちる。


「クハハハハ!」


そして俺の前方からは高笑いの様な声が響き渡る。

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