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「ダンジョンのスタンスピードの理由にそんな事があったとは…」


俺の話を聞いた王は深刻そうな顔をしてそう呟いた。


「そんな…新たな魔王を決める為にこの国が狙われたと言うことですか?」


クリスは信じられないといった表情で俺に質問をする。


「ああ、俺が戦った悪魔はそう言っていた…あの状況で嘘を言うとは思えない」


「そうですか…となると何故その悪魔はこの国を狙ったのでしょうか?」


コーデリアさんは他にも候補は有る筈なのに何故…と考えている。


「いえ、その理由はその悪魔が話していたので分かっています」


「本当ですか!?」


俺がそう言うとクリスは驚いた様に声を上げる。


「貴方も既に想像は付いているんじゃないですか?」


俺は王に向かってそう言い放つ。


現国王なら邪神の力の封印について知らないはずが無いからな。


悪魔がこの国を狙ったと言う話を聞いてから王は静かになにかを考えている様だったからな。


「ああ、多分その悪魔は我が国の最深部、つまり王城の地下に封印されている邪神の魂をねらってきたのだろう」


「「えっ!?」」


クリスとコーデリアさんはその事を知らなかったみたいで、驚きの声をあげた。


まぁそうだろう、この世界では神話になっている邪神の力が王城の地下に封印されているなんて例え家族にでも教えられる訳がないだろう。


人の目はどこに有るか分からない、その話を聞いて悪用しようとする奴が出てくるからな。


そうなれば王族なんかは交渉材料として最適な存在はないだろう。


家族を人質にされるリスクを考えれば誰にも教えないというのが正解だ。


「邪神の魂ですか?…それって聖書にも書いてあるあの邪神ですか?」


クリスは父親である王に確認する様に聞くと王は頷く。


「これは王族に伝わる話だ…」


そう言うと王は1つの話をし始める。


「聖書に書かれている通り、龍神ユウヤは邪神を倒すことに成功した。

ユウヤの固有魔法である虚無魔法は魂すらもその名の通り虚無の彼方へ消滅させる程の力を持っていたと言われているが、邪神の魂はユウヤの全力の虚無魔法を食らっても消滅する事は無かった…だが、虚無魔法を食らった事により邪神の魂はその力を大幅に減らし、その神は邪神の魂を5つに分けそれぞれを王国、公国、帝国、教国、法国に封印したと言うわけだ」


どういうことだ?


俺は王の話を聞いて始めにその言葉が浮かんできた。


ユグドラシルオンラインでは邪神を倒した後に30年以上もサービスが続いていたにも関わらずゲーム内で帝国や公国、教国なんて国を聞いたことは無いし、ゲームでその様な国を見たこともない。


邪神の魂を5つに分けてそれぞれの国に封印したならゲーム内でもその国が存在して居なければ可笑しい。


「と言うことはこの城の地下にも邪神の魂が封印されているということですか?」


「ああ、そして5つの国を纏める存在…この国だと王である私だな、その者には封印されている邪神の魂の封印を維持し、世界に邪神の魂が解放されないようにする義務が有る。

もし邪神の魂の封印が解ければもうユウヤは居ない、そうなれば世界は崩壊してしまうからな」


俺は考える…何故ユグドラシルオンラインでは邪神の魂が封印されている筈の国が存在していなかったのか。


そしてこの世界とユグドラシルオンラインの世界との違い。


俺はこの世界はユグドラシルオンラインと同じ世界だと思っていた、だが、その考えが初めから間違っていたなら。


一部のスキルやアイテムの効果がゲームの時違うのはこの世界がゲームでは無いからと考えていた。


この世界で発動しない効果はゲームだから発動していたと思っていたからだ。


例えるとユグドラシルオンラインではマップというのが有ったがそれはゲームシステムというアシストが有った為、マップは表示されている訳だ。


だが、この世界はゲームではない、だからこの世界ではマップは表示されないと思っていた。


つまり、俺はこの世界をゲームであるユグドラシルオンラインのサービスが終わり、この世界にゲームシステムという物が無くなった世界だと考えていた訳だ。


だが、それは違ったみたいだ。

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