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「入るがよい」


コナーに言われた通り、謁見の間で待機して一分程たったころだろうか、扉の内側から入ってもよいという声が聞こえてきた。


この声はあの王様の声だろう、王様の声が聞こえたと同時に謁見の間の扉が開いていく。


扉が完全に開いた所で俺は謁見の間に入っていき、そして中央で止まる。


目の前には王座に座った王が居る。


「此度はダンジョンで起こったスタンスピードを収め、王都を救ってくれた事、誠に感謝する」


王は威厳の有る声で俺に感謝の言葉を伝える。


「俺は俺がやりたいようにやっただけだ」


俺は簡潔に一言だけ話す。


その俺の態度に何かを言おうとした貴族が居たが、王は手を上げてその貴族を止める。


というかこの王俺に気づいていないのか?いや、そんなことは無いだろう、多分ここが公の場だから初対面という体をしているだけだろう。


「さて、王都を救ってくれた貴殿には褒美をって…おお!そなたはクリスを窮地から救ってくれた黒騎士ではないか!」


おいおい…マジで気づいてないパターンだったのかよ…


黒騎士装備をしている俺は一瞬で気づくだろうに…


「あなた…」


「こ、コホンそれで、王都を救った貴殿には私から褒美を取らせる、何が欲しいかを言ってくれ」


一瞬素に戻った王だったが、隣に座っている女性…この国の王妃だろう、に声を掛けられた途端、一度仕切り直して、俺に何が褒美として欲しいかを聞いてきた。


あの様子だとずいぶん尻に敷かれいている様子だが…まぁ気にしなくても良いだろう。


それにしても褒美か…以前はこの世界の宝と言ってもストレージに入っているアイテムの方が高性能だからと何時でも王城にこれる許可証を貰ったんだったか?


まぁそれは良い…これは好都合だ、王都の最深部に封印されているという邪神の力について聞けるチャンスなのだから。


「褒美か…それなら人払いをした状態で話がしたい」


「なっ!?貴様、そんな事が許される訳無かろう!」


まぁ普通はそうなるだろう、だが、この王ならば…


「良い、国を救った褒美として我との対談を求めるか…面白いでは無いか…それにこの者は以前に我が娘のクリスティーナを救った者だ」


「で、ですが…」


「それとも何か?私の決定に逆らうと?」


貴族の男は引き下がるが、王はその貴族に圧力を掛けるように言う。


「いえ、出過ぎた言葉、申し訳ございません」


すると貴族も諦めた様子で王に謝罪の言葉を言う。


「それではこの者との謁見は終了だ、皆は帰って良いぞ」


王がそう言うと周りに居た貴族達は謁見の間から出ていった。


「それでは黒騎士殿、こちらに来てくれ、クリスも呼んでお茶にするとしよう」


一方王は気を抜いた様子で俺をお茶に誘う。


「あら、それは良い提案ですわね、あの娘も黒騎士さんに会いたいと言ってましたので、少しお話を聞きたいと思ってたのです」


お茶をすることには王妃も賛成のようで、王妃は近くにいたメイドに一言声を掛ける。


「それでは行こう」


という事で王と王妃と共に俺は王城を歩いていき、庭園に着いた。


「それでは始めるとしよう…なにクリスは直ぐに来るであろう」


そうして始まった国の二大トップとのお茶会だが、初めは自己紹介から始まった。


「前回会ったときは出来なかったからな、私はこの国の王、アルス・オルディスだ」


王様の名前はアルスと言うらしい。


「妻のコーデリアと言います、よろしくお願い致しますね」


奥さんの方はコーデリアと言うらしい、そして次は俺の番だ。


「私はとある事情で本名を明かすことは出来ない…なので見たまま黒騎士と呼んでくれれば良い」


「そうなのですか…お名前が聞けなくて残念です…何か重大な理由がおありなんですね」


本名を伝えることが出来ないと言うと王妃は残念そうに言う。


「それでは自己紹介も終わった所で、お茶を入れるとしよう」


そして王の一言からお茶会は始まった。

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