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リミッターを全解除し、身体能力が元に戻った俺はハーネストの首をすれ違い様に斬り飛ばす。


「私の負けだな…ユウヤよ、貴様との戦い、楽しかったぞ」


ハーネストは首だけになっても少しの間は生きている様で、俺に話しかけてきた。


「ああ、俺も楽しかったよ」


「だが、最後に一つだけ気になっている事がある…聞いていいか」


「良いぞ」


ハーネストは俺に一つ聞きたい事がある様なのでそれを聞く事にする。


「最期の攻撃、俺はお前の動きを視認する事すら出来なかった、あの動きが出来るなら何故最初からやらなかったのだろうと思ってな、アレなら一瞬で俺を倒せただろうに」


俺はハーネストの質問に答える。


「確かに俺が最初から全力で戦っていれば直ぐに戦闘は終了する。

だけど俺がそれをしない理由は…」


俺はハーネストに理由を話した。


「そうか…ユウヤ、死ぬ前に俺から一つ教えておこう」


俺の理由を聞いて納得したのかハーネストは一度頷いてから何か俺に教えたい事があるらしい。


「俺が邪神の魂を取り込むと言った時に世界を征服する為と言っただろう…だが、それは正しい答えじゃ無い」


「どういう事だ?」


ハーネストがあの時話した世界征服の為に邪神の魂を取り込もうとしているというの自体が違うのか?


俺が少し考えているとハーネストは話す。


「現在、魔界では新しい魔王を決める為にとある事をしているのだ」


新しい魔王?


「それが邪神の魂を取り込むって事か?」


「ああ、古に伝わる邪神、その邪悪なる力を国の最深部で封印されている事が発覚してな、魔王候補の悪魔で邪神の力を取り込んだ者が次の魔王になるという事になっている」


魔王の後継者を決める為に邪神の力を取り込むという条件を作った訳か。


邪神の魂の残滓とも言える力を取り込もうとするという事は国としては全力でそれを阻止しなければならない。


となれば国の最高峰と言える人物との戦闘に発展する事は容易に想像できる。


人間達の最強格を倒し、邪神の力を手に入れたのなら魔王となる資格があると認められるという事か。


「それで、世界征服と言ったのは何でだ?」


「邪神の力を取り込んだ場合、取り込んだものに逆らえる者や対抗できる者は居なくなるだろう。

誰にも負けない力を一個人が持つ、それがなされた場合魔界の民は地上に宣戦布告をするだろう。

そうなれば否応にも世界征服は達成されるからな」


ブラフの類では無く実際に誰かが力を手に入れたら起こるって訳か。


「それで、何故そんな事を俺に教えようとしてるんだ?」


先程までは敵として戦っていたのだ、俺に教える義理は無い。


「なに、最後まで楽しませて貰った礼だと思ってくれ…それで、俺の他の魔王候補だがな、皆それぞれ特別な能力を持っている、俺の場合は驚異的な再生能力と肉体強度と言った感じにな」


成る程、だから無名の攻撃を魔力で身体強化を発動させただけの腕で受けることが出来たし、腕が吹っ飛ばされても再生する事が出来た訳か。


「他の魔王候補は厄介な能力を持っている。

だから魔王候補にあった場合は俺の様に様子を見ながら戦わず、一瞬でケリをつけた方が良い」


「分かった、気をつける事にするよ」


「さて、もうそろそろ俺の生命活動は停止する。

俺が死んだらこのダンジョンのスタンスピードは収まるだろう…さらばだ我が友よ」


ハーネストはそう言い終わったと同時に死んだ。


「友よ…か」


ハーネストが死ぬ前に放った俺の事を友と言った一言はなんの違和感も感じることも無く納得できた。


あの戦闘は短い間だったが素晴らしく楽しかった。


「さらばだ友よ」


俺もハーネストに一言話してからハーネストの死体をアイテムボックスに入れる。


「さて、これでスタンスピードは収まるだろうし、地上に戻るか」


邪神の力や魔王候補か、また新しい問題が出来てしまったな。

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