表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/280

72

「ガァァァ!」


狼型のモンスターが俺に目掛けて飛び込んでくる。


俺はその狼の攻撃を避け、刀で首を斬り落とす。


「ふぅ、これで十階層か…」


現在、俺は順調に階層を進んでいき、十階層にまで潜っていた。


「それにしてもこのスタンスピードってどこまで起きているんだろうか?」


このダンジョンが五大ダンジョンと呼ばれるのは知っているが、何階層有るのかは判明してないみたいだからな。


修羅が確か50階層位でドラゴンを討伐したという話をしていたからこのダンジョンは最低でも50階層以上は確実に有るって事だろ?


今回のスタンスピードが発生している階層が20~30階層ならまだしも、修羅がドラゴンを倒したという50階層やそれ以上の場所だと、ヤバいぐらいに難易度が高くなる。


現状のモンスターの強さは十階層でユグドラシルオンラインでいう80レベル台のプレイヤーが戦う位の強さだ。


だが、これがもっと下の階層に下がればモンスターの強さはも、そしてモンスターの数も増えていく筈だ。


下の階層に行けば行くほど、今回のダンジョンのモンスター殲滅の難易度が上がっていくから、スタンスピードが起きている階層は出来るだけ浅い方がありがたい。


今回は市民や冒険者とは関係のない一般人を巻き込んでしまう可能性があるからな。


俺だけしか居ない場所でこんな感じのスタンスピードが起きているならモンスター素材も大量に手に入るし大歓迎なんだけどな。


そう言えば修羅の奴、ちゃんと冒険者を纏められたかな?


まぁ修羅の事だから大丈夫だとは思うが…


十階層のモンスターを倒し終えた俺はそんな事を考えながらモンスターの死体をアイテムボックスに入れていく。


「ん?」


だが、アイテムボックスに素材を入れる作業をしている時に何か物音が聞こえた。


「気のせいか?…」


さっきこの階層に居たモンスターは全て殺した筈…それなのにこんなに早く新しいモンスターが再生成される筈が無い。


だが、万が一ということもあるし、ダンジョンが凄い勢いでモンスターを狩っている俺に対して何らかのモンスターを送ってきたという可能性もあるので、一応索敵を発動させる。


「これは…」


索敵を発動させた事によってこの先に1つの敵性反応がある事が確認出来た。


「こっちに来ない…という事は俺を待っているのか?」


敵性反応はこちらに向かってくる事もなく、とある場所で止まっていた。


「可笑しい」


俺は小さい物音を聞いたから索敵を発動させ、この先に敵性生物が居る事に気付いた。


だが、この先に居る敵性生物はこちらに向かってくる訳でもないし、攻撃をしてくる訳でも無い。


そもそも、あの小さな音を俺に聞かせた理由は何だ?アレがなければ俺が索敵を発動させる事も無かったし、不意打ちをして俺に攻撃をする事も出来た筈だ。


「まぁ今は考えるより先に行動をしよう」


相手の考えなんて俺には分からないからな、俺は現状スタンスピードを収めないと行けないからとりあえず進むしか無い。


俺は敵性反応がある方に向かって進む。


先程まで進んでいた道は何方向かに進めるように分かれ道になっていたが、現在進んでいる道は一本道だ。


一本道をしばらく進んでいくといきなり広い部屋の様な場所に出た。


広い空間には何も無く、ただ中央に人の様な者が立っているだけだった。


「人間…いや、悪魔か」


中央に居たのは人型の悪魔だった。


その証拠に背中には蝙蝠の様な羽が付いているし、体の色も日に焼けた黒色ではなく真っ黒だ。


「貴様が先刻から我が配下を倒しに倒しまくっている輩か…」


悪魔の様な男は落ち着いた雰囲気で俺に向かって話しかけてくるが、良く見るとその肩は少し震えている。


もしかして配下…もといモンスター達を倒した事を怒っているのだろうか?そうだとしたら悪魔なのに良いやつ疑惑が浮かんでしまうな。


ダンジョンの中、俺は中ボスの様な悪魔を見て、そんな事を考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ