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三階層に降りた俺は休む間もなくモンスターを狩り始める事にした。


「そう言えばユグドラシルオンラインにはモンスターとの遭遇率を上昇させるアイテムが有った筈…」


俺はその事を思い出したので、アイテムボックスの中を探してみる事にした。


勿論モンスターを倒すのも忘れずに。


「…と有った有った、これだ」


初期の方のアイテムだったので、随分と奥の方に有ったが、目的のアイテムを見つけることができた。


そのアイテムの名前はエネミーエンカウンター。


効果は簡単、モンスターとのエンカウント率を上昇させるという効果だ。


しかも効果は重複し、エンカウント率を最大10倍にする事が出来るという物だ。


これの効果がこの世界に適用されるか分からないが、適用されるなら周囲にいるモンスターが俺目掛けて一目散に走ってくるだろう。


という事でアイテムボックスからエネミーエンカウンターを取り出す。


エネミーエンカウンターはチケット型のアイテムで、このチケットを破ると効果が発動する。


俺は最大まで効果が発動するだけのエネミーエンカウンターを取り出して、エネミーエンカウンターを破る。


これでエンカウント率が上がった筈…


索敵を発動させると周囲にから此方に向かってくる敵性反応が大量に感知出来た。


どうやらこの世界でも効果はあるみたいだな。


だが、モンスターの反応を見た事で俺は疑問に思った事がある。


何故、チケットを破っただけなのに、モンスターが此方に向かってくるのかという問題だ。


ゲーム時代だったらそういう風に設定されているからという説明が出来る。


モンスターだってユグドラシルオンラインではプログラムの1つだ。


つまりはあのアイテムの使用をサーバーが感知したらその使用者に向けてモンスターが向かう様に設定しているから、エネミーエンカウンターを使用したらモンスターが向かってくる訳だ。


だが、この世界はユグドラシルオンラインの世界には似ているが、ゲームとしてのシステムは機能してないし、俺が持っているアイテムや装備以外にユグドラシルオンラインの道具も見たことはない。


一応はスキルとかも発動するが、この世界では効果が多少違う。


だからアイテムの類いは効果が無いか、その効果が発動する様にこの世界用に調整されている筈だ。


とすればこのチケットにもモンスターを引き付ける何かがあると思うんだが…見た感じ分からない。


俺には何も感じないことからモンスターだけが感じることが出来る物とかが発生しているのだろうか?


曲がり角の先からも集まっているし、視覚的な物ではない、そして音でもない。


となると…


「やっぱり匂いか?」


蟻には仲間に場所を知らせたりするフェロモンが有るらしいが、このチケットを破ると、モンスターだけに感じられるフェロモン、又は匂いの様な物が発生するのだろうか?


まぁこの事は後にでも考えられるし、先ずはこのモンスターの群れを倒すことにしよう。


俺の前方にはエネミーエンカウンターで集められた何十体ものモンスター。


だが、二階層までとは違い、三階層には上位種族のモンスターも出てきている。


一番先頭に居るのは通常のゴブリンより身長が高く、ガタイも良いゴブリンだ。


多分ホブゴブリンだと思われる。


そして鑑定を発動させた所、予想通りの結果だった。


ホブゴブリン(強化種)


魔力保有量1769/4000

肉体強度984


魔法耐性 無し


他者の魔石を喰らった事で強化種になったホブゴブリン。


元々ゴブリンだったが、魔石を喰らい続け、魔力保有量が上限に至った事で上位種族であるホブゴブリンになった。


強化種になった事で身体能力が上昇し、保有魔力量も増加している。


鑑定結果は俺の予想通り、ホブゴブリンだったみたいだが、説明の所に1つ面白い事が書いてあった。


どうやらモンスターは魔石を食べ、保有魔力が上限に達すると進化をするらしい。

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