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「おっと…すみません」
「いえ、こちらこそ…」
俺はとっさにぶつかってしまった人に謝る。
相手も俺に謝った様だがどうやら様子が可笑しい。
俺はぶつかった人を確認する。
「「あ…」」
俺がぶつかった人を確認すると目の前にしりもちをついて倒れていたのは昨日冒険者の男達から助けた少女だった。
「えっと、昨日はどうもありがとう…貴方が助けてくれなかったらあの男達に何をされていたか…」
少女はそう言って俺にお礼を言ってくる。
「いや、本当に俺は君に礼を言われる権利は無いんだ」
俺はそう言って少女に俺が犯人を捕らえる為に少女に何かをするまでただ見ていた事を伝える。
少女は俯いている。
そうだろう…自分のピンチを助けてくれたと思っていた男がこんな男だったんだから。
「なによそれ…」
やはり呆れているんだろう、そして少女が口を開く。
「貴方そんな当たり前の事を気にしてたの？」
「え？」
俺は予想外の言葉に疑問の声が出てきてしまった。
「いい？もう一度言いましょう、貴方のやった事は間違いでは有りません、わたしでもそうしたと思いますし、それに…」
少女は少し言葉を溜めてから「私達を助けてくれたじゃないですか」と笑顔で言った。
「なので、もう一度言わせてください、昨日は本当にありがとうございました」
そして再度少女にお礼を言われる。
「ああ、どういたしまして」
そして今度こそ俺は少女の礼を受け取る。
「そうだ！ユウヤさん、今日はお暇ですか？」
少女は思いついた様に俺に暇かを尋ねてきた。
「ああ、今日は特に予定は無いが…」
俺がそう伝えると少女はパンと手を叩き、俺に言う。
「じゃあ今日一日私達に付き合ってくれませんか？」
そして場所は変わり、俺と少女、そして少女の妹の三人は街のカフェに居る。
少女の妹はカフェに行く前に合流した。
どうやら別行動をしていたらしく、先ずは妹と合流したいと言うので少女に付いていき、そして少女の妹と合流、そしてこのカフェに入ったというわけだ。
「じゃあ先ずは自己紹介をしよう、俺の名前はユウヤだ」
というわけで俺は自己紹介をする。
先ほど、少女が俺の名前を知っていた事からこの2人は俺の名前を知っていると予想できるが、俺はこの2人の名前を知らないからな。
「わたしはエリザ、こっちは私の妹のマリアよ」
「マリアです、昨日は本当にありがとうございました…ユウヤさんが助けてくれなかったら私たちはどうなっていたか…」
どうやら姉の方がエリザ、妹の方がマリアというらしい。
マリアは俺に礼を言った後、俺が助けに来なかったらどうなっていたかを考えてしまったのか顔を青くしてしまった。
「実際に助かったんだから良いじゃない」
マリアの様子を見たエルザは楽観的に言う
「もう！これから同じような事があっても今回みたいに助けてもらえる事なんて無いんだからね！」
マリアはエルザの言葉を聞いて言う。
まぁ今回の様に運良く助けが来る事なんてそうそうないだろうマリアの言いたい事は分かる。
「分かってるわよ…次は絶対にこんな事は起きない様に注意するし、貴女を危険な目には合わせない」
エリザは先ほどとは全然違う雰囲気でそう言った。
「さて、この話はこれでお終い…ごめんなさいね、こんな話を聞かせてしまって」
エリザは俺に謝罪をする。
「いや、気にしなくても良い」
「さて、先ずは注文をしましょうか、すいませ～ん」
エルザはウェイトレスを呼んで注文をし始める。
「私は紅茶にショートケーキを１つ、2人は何にする？」
俺は咄嗟にメニュー表を見て注文を決める。
「じゃあ俺はコーヒーとチョコケーキを」
「私はお姉ちゃんと同じものでお願いします」
どうやらマリアはエルザと同じものを頼むらしい。
ウェイトレスは注文を確認して厨房の方に行った。
