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「マスターは神を名乗る存在を知っていますか?」


「ああ、邪神を倒すために協力をしてくれた奴だな」


そういえば神の奴、邪神を討伐した後に一度お礼を言ってから一回もコンタクトを取ってこなくなったな。


「多分マスターの思っている神と同じ存在だと思うんですが、サービス終了、あの日マスター達が消えた後に私達は真っ暗な空間に飛ばされました」


終了したゲームのNPCやAIが再利用される事は殆ど無い。


しかも使われるパターンは続編が出たときだけだ。


だから続編を作る予定が有ったとしてもサポートAIなんかのデータは消してしまうのだろう。


パソコン等で情報を消す事は簡単だが、その情報自体に思考が有るのなら印象は変わるだろう。


自分達からすると上位の存在に消されるような物だ。


「本来ならばそこで消滅する筈だったが、ソコに神が現れて何かをした…という訳か」


「はい、周りのアバターが次々と消失していき、遂に私たちの番かと思った時でした、世界が一瞬光ったかと思うと全く違う場所に居たのです」


俺の時もそんな感じだったからな、ってことはその空間はあそこか。


「ん?全く違う場所って辺り一面真っ黒な空間じゃ無いのか?」


俺は疑問に思った事を口に出す、俺の時は全部そこだったが。


「いえ、私達が居たのは和室の様な場所でしたよ?そういえばマスターが邪神を倒してくれたお蔭で神力が戻って家を創り直す事が出来たって言ってましたね」


そう言うことか、俺の時は邪神の封印で空間を維持するだけで精一杯だったって事か。


「成る程、それで?その後はどうなったんだ?」


「神は私達を呼んでこう言いました、これはお礼ですと」


「お礼?」


「はい、最初は私たちも何が何だか分からなかったのですが神が説明してくれたんです、マスターは邪神を倒し、マスター達の現実世界とゲームの元となった世界であるユグドラシルを救ってくれた事のお礼の一環だと」


ヤヨイ達を生かすのが俺へのお礼の一環だという事は俺があの草原に居たのは神がそうしたという事か?


「つまり、俺が死んだ後にあの草原に立っていたのは偶然じゃ無くて神のお礼という事か?」


「はい、多分ですがマスターは死んだと思ったら草原に立っていたのですよね?」


「ああ」


「それでしたらマスターの死という物をトリガーにマスターの魂が輪廻転生に加わる前に魂を回収、後にマスターのユグドラシルオンラインのアバター情報をコンバージョンした肉体に魂を入れた物と考えられます」


成る程、どおりで以前のアイテムボックスの内アイテムや確認事態は出来ていないが魔力視が発動した事からスキルもユグドラシルオンラインの時の物だったんだな。


という事はステータスもそのままの可能性が有るな。


「じゃあヤヨイ達は俺が死んだ後にこの世界に来た時に再開出来る様に神が存在ごとこの世界に持ってきたって事か?」


「たぶんその解釈で合っていると思います」


俺がここに送られた理由は分かった、大方ファンタジー世界にチートを持って俺TUEEさせようとしたと言うことだろう。


「それで、修羅や他の皆はどこに居るんだ?」


俺がヤヨイに聞くとヤヨイは直ぐに答える。


「現在まで私達はマスターがこちらの世界に来るまでに基本的には自由に世界を調査していました」


「世界の調査?」


「はい、この世界に存在する生物の脅威度や人類やそれに類する知的生命体の有無、その知的生命体の文明度等を調べるついでにマスターが来た時に自由に動けるようにある程度の地位に就く様にしました」


「お、おう」


これだけ聞くと忠誠心がヤバく聞こえるな。


だがこの忠誠心も20年間共に過ごしてきて培った物だと思うと嬉しくも感じる。


20年間で色んな出来事が有ったからな。

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