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「…どうやら教国軍が近くまで来たのを確認したみたいだな」


門の前に設置されていた櫓から鐘を鳴らす音と一緒に聴こえてくる兵士の叫び声を聞いた俺はそう呟いた。


「じゃあ両国の様子を見ながら行動を開始しよう」


俺の言葉に3人が頷く。


「じゃあ3人は公国軍を見ていてくれ、俺はちょっと教国軍の所に行ってくる」


教国の軍が馬車を轢かせているというモンスターがどんなのか気になるし、転生者らしき存在が居るか確かめないといけないしな。


そう考えた俺は3人に教国軍の元に行くと伝え、教国軍の元に向かう。


「さて、教国軍の居場所は…あそこか」


気配を消し魔法で姿を消した俺は空を飛んで教国軍のいる場所を確認する。


空の上から教国軍を見ているといきなり教国軍が進行を止めた。


進行を止めた教国軍を観察していると馬車の中から荷物を持った兵士達が次々と出てくる。


風魔法で兵士達の声を聞いてみるとどうやら連中はココに仮拠点を作ろうとしているらしい。


着いて直ぐに公国と戦う訳じゃないから、拠点を作るのは当たり前だな。


ここはある程度公国から離れているし、見晴らしも良いから公国の軍の動きも監視することが出来る。


仮拠点を作るならうってつけの場所だろう。


まぁその分相手に自分たちの行動を見られるというデメリットも有るだろうが、メリットの方が大きいと判断したのだろう。


まぁ拠点作りはまだまだ掛かるだろうし、一旦他を見て情報を集めよう。


そう考えた俺は観察の対象を拠点作りを始めた兵士達から馬車を牽いていた魔物に変える。


「成る程、教国はコイツらに馬車を牽かせてたって訳だな」


馬車に繋がれている魔物の正体はキメラだった。


見た感じライオン、馬、鳥系の魔物は確定だな。


馬車に繋がれているキメラの姿は顔と胴体、爪がライオン、脚が馬、そして背中からは鳥の様な翼が生えていた。


「それにしてもこのキメラ達…」


他の馬車に繋がれているキメラ達とこの馬車に繋がれているキメラに違いは殆ど無い、という事はここに居るキメラ達は人工的に作られたのだろう。


「キメラと言えば…前に修羅と話した事が有ったな」


帝国で魔物の研究をしていた元研究者がキメラを作って帝国を追放されたとかなんとか


「確か名前は…そうそうジャイル・フィンリーだったな」


指名手配犯として転々と住処を変えながら悪事とキメラについての研究をしているらしいが…このキメラ達にも関わってるかも知れないな。


キメラの研究には多くの金が掛かるらしいし、このキメラ達ももしかしたらジャイル・フィンリーが研究費を得る為に教国に売ったのかもしれないな。


俺はそんな事を考えならキメラを観察する。


うん…このキメラ達の能力は大体こんな感じか。


俺はキメラを観察した結果、キメラ達の大体な能力値を想像する事ができた。


結論から言うと、このキメラ達では半日で教国からここに来ることは絶対に出来ない。


キメラとして造られてからそこまで時間が経っていないのだろう、ステータス…というよりレベルが低い。


この位のステータスだったらどんなに頑張ってもここまで来るのに1日は絶対に掛かる。


「やっぱ転生者が居るってのは確定だな」


馬車を牽いている複数のキメラに半日の間ずっとバフをかけ続けられる様な存在はこの世界じゃ転生者が以外にあり得ないからな。


「となるとその転生者が何処にいるか、だな」


俺は転生者を探そうと魔力感知を発動させた。


「おいおい…魔力くらい隠せよ」


一瞬で転生者が居るっぽい場所を発見した俺は思わずそう呟いてしまう。


他と比べて膨大な量の魔力が奥にあるテントから漏れ出ていたからだ。


こんなの自分を見つけてくださいって言ってる様なものだ。


自分に絶対的な自信が有るのか警戒心が無いのか分からないが流石にこれは…


まぁそのお陰で俺は探す苦労も無く見つけられそうな訳なんだけどな。


俺はそんな事を考えながら、テントに向かって歩いていった。

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