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「もしもしユウヤ?僕だけど」


「どうした?フェニ、何かあったのか」


フェニから電話が来たという事は教国側に何か報告しないといけない事が起こったという事だろう。


「うん、今僕は教国の軍を上空から見てるんだけど、軍の進んでる速さ的に大体後1時間位で公国に着きそうだからユウヤに報告しとこうと思ったんだ」


俺がフェニに何が有ったのかを聞くとフェニは思いもよらぬ報告をする。


「1時間!?それは本当なのか?」


俺はまさかの報告に驚いてフェニに再度確認をする。


「うん、このままのスピードで進んでいったら1時間後には公国に着くよ」


「マジか…」


フェニもこんな状況で冗談を言わないだろう、という事は教国の軍が後1時間程で着くというのは本当なのだろう。


でもそうなると公国がどうやってそんなスピードでこっちに来ているのかを考えなければならない。


一番最初に考えるべきは教国が今朝ではなくてもっと早く出軍していたという可能性だが…修羅が偽りの情報を掴まされるとは思えない。


情報が嘘じゃ無いと考えると教国が出軍したのは本当に今朝という事になるんだが…それだとあと1時間で教国の軍が着くはずが無いんだよな。


戦争をすると言う事で教国軍は食料は勿論、兵の装備や医療品等持っていくものは多くある。


持っていく荷物が多いという事は必然的に進行速度は遅くなって公国に着くのは遅くなる。


公国と教国の距離は他の国とは違って意外と近い…が、それでも馬車で1日は掛かる位には距離が有る。


通常、公国の軍が到着するのはどれだけ急いでも1日半~2日は掛かる計算だ。


休憩無し、馬を使い潰すレベルで急げばもう少し早く来る事は出来るだろうが、そんなのは馬や兵士たちを疲弊させるだけで意味が無いどころか勝てる可能性を減らすだけだ。


それにそれを実行したとしても1日は掛かるだろうし。


ていうか普通の方法だったら今朝出軍した筈の教国軍がこんな早く移動出来る訳がない。


どんなものかは分からないが教国の軍は転移魔法の様に一気に距離を移動できる手段が有ると考えるしか無いか。


「フェニ、なんで教国がそんなに早く移動できてるか分かるか?」


実際に見ているフェニなら教国軍が早く動けているか理由が分かるかもしれない、そう考えた俺は何か気付くことが無いかフェニに聞く。


「教国が早く移動してる理由?多分アレが理由だと思う」


フェニはそう言うと教国の馬車を大型の魔物が牽いていると言う事を話してくれた。


「大型の魔物が馬車を牽いている…成る程そう言う事か」


魔物は疲労を感じない、その魔物に馬車を牽かせる事で兵士や馬を疲弊させずに移動しているって事か?


でも教国にそんな大型の魔物をテイムできる人物が居るのか?


魔物は強ければ強いほどテイムが難しくなる。


大型の魔物はテイマーでもそれなりの実力が無いとテイムする事は出来ないし、軍の馬車を牽かせていると言う事はそれなりの数の魔物をテイムしていると言う事になる。


この世界ではテイマーは珍しいらしいし、そんなに多くの大型魔物をテイムする事が出来る人物が教国に居るんだろうか?


まぁ実際に居るから馬車を魔物が牽いてるんだろうけど…何か裏が有る様な気がする。


現状じゃ判断出来ないし、勘違いだったらそれはそれで良いんだが…少し教国に警戒した方が良いか。


「フェニ、他に報告する事は有るか?」


「う~ん、今のところは無いかな?僕に気づいた様子も無いし、怪しい動きもして無いよ」


俺が他に報告する事があるかをフェニに聞くとフェには現状報告することは無いと返事をした。


「分かった報告ありがとな、何か有ったら俺からも連絡する、引き続き監視をよろしく頼む」


「はいはーい、じゃあ通話切るね」


フェニはそう言うと通話を切った。


「…フェル、急いでヤヨイに合流するぞ」


「分かった」


返事を聞いた俺は自分とフェルに光魔法を掛け、ヤヨイと合流する為に行動を開始する。

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