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門番の男性に気にしていないからそっちも気にしなくて良いと伝えると男性は俺に感謝の言葉を言ってから村の方に走っていった。


その時男性は「主人のご友人が集落に来たのでしたら皆に知らせなければ!」と言って走って行った。


「流石は、主人のお父上ですね、心が広い」


俺が集落の方に走っていく男性の後ろ姿を眺めているとフォルテは小さくそう話しかけてきた。


「心が広い?たかがお前って言われただけだし、気にするような事じゃ無いだろ」


俺はフォルテにそう返事をする。


ていうか俺は知らない人にお前って呼ばれたのを気にしてないって言っただけで心が広いとか言われても理解が出来ないんだが…


「ここでは上位者に逆らうという事は死を表すんですよ、そして主人はここの頂点に君臨するお方、その主人のご友人にお前などと言ったのなら普通なら死罪ですよ」


フォルテは説明する様に俺にそう言った。


たしかに上下関係はしっかりしておいた方が良いだろうけど…


「それにしてもあの反応はなぁ…」


俺がフェルの知り合いだってフォルテが男性に教えたら一瞬で顔が真っ青になって土下座をした。


今から入る集落では上下関係が凄いっていうのは分かったけど、俺ってそんなに怖そうな感じだったか?


俺的には普通の顔をしていたと思うんだけど、あの人があんなに命乞いをしたって事はおれが怒ってるって思われたって事だろ?もしかして威圧でも発動していたのだろうか?


俺は男性の反応を思い出して少し考えてしまう。


「ま、まぁそんな事は滅多に無いんですよ!上位者が理不尽に振舞っていたら主人から注意がされますから」


俺の言葉を聞いたフォルテはフォローしようと思ったのか俺にそう言ってきたが…全然フォローになってないぞ。


「…まぁ気にしても仕方ないか、じゃあ集落に向かおう」


俺はフォルテにそう言って集落の方に向かって歩き始める。


俺が集落に向かうとフォルテは少し遅れたがちゃんと後ろについて来た。


そして歩く事数分、俺とフォルテは獣人の集落に到着した。


「おいおい…これはどうなってるんだ?」


集落の入り口から中を覗くと集落の中には大勢の獣人が居た。


まぁこれだけだったのなら何の問題も無い…集落なのだから一定数の獣人が居るのは知っていたし、集落の規模から考えて住んでいる獣人の数も大方予想できる。


だが問題なのはその場にいる獣人たちがこっちを見ている事だ。


いや、確かに俺はよそ者だし少しばかり視線を集めてしまうのは仕方ないと思うけど流石にコレは予想できない。


しかも敵意を感じるし、あまり歓迎されている感じじゃ無いな。


「これはこれは、遠いところからよくお越しくださいました」


俺が予想外の展開に動きを止めていると集団の中から一人の獣人がこちらに向かってきて俺に話しかけてきた。


「えっと…貴方は?」


俺は話しかけてきた獣人に質問をする。


まぁこの状況で出てくるとしたら十中八九この集落の長という人物だろうな。


集落の長と思わしき獣人の見た目は立派なあご髭を蓄えたご老人だ。


「これは失礼を、私はこの集落の長を務めいただいているグリフィス、と申します」


出てきたこの獣人は俺の予想通りこの集落の長だったか。


「これはどうも、俺はユウヤです」


俺は集落の長…グリフィスに名前を教える。


「ユウヤ殿ですか、何もない所ですが歓迎させて頂きますぞ」


集落の長はニコニコと笑いながらそう言って手を出してきた。


なんか怪しいんだよなこの人…上手く隠してるんだろうけど歓迎するって言った時に少し敵意が感じられたし…


そう考えた俺は握手に応じながらも目の前の獣人の事を観察する。


強いな…少なくとも俺を除いたこの場にいる誰よりも。


動きに無駄が無いし魔力の量も多い…服で見えないが老いで筋肉が衰えているという事も無いだろう。


「…それでユウヤ殿?この集落にはどの様な用があって来られたのですか?」


俺がグリフィスを観察しているとグリフィスは何の用でここに来たのかを尋ねてきた。


「ああ、ここにはフェルに会うために来た」


俺がそう言った瞬間、グリフィスから発せられる敵意が膨れ、俺に向かって攻撃してきた。


俺はグリフィスの攻撃を少し後ろに飛ぶ事で避ける。


「おいおい、随分と手荒い歓迎だな」

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