表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
224/280

224

「と、取引だと?」


女性は俺の取引という言葉に反応した。


「ああ、取引だ、あんたがフェルの元に俺を案内してくれるっていうなら俺はこの結界を解除しよう」


「なっ!?そんな事、出来る訳がないでしょう!」


女性は驚いた様に俺にそう言ってくる。


まぁ俺がそう言ったら女性がその反応をする事は元々想像していた。


女性の忠誠心的に自分の都合のためにフェルを売る様な事は絶対にしないだろう。


「まぁそう言うなって、俺はさっきも言った様にフェルやあんたらに危害を加えるために会いたいって言ってるんじゃない、話があるから会いに行きたいだけだ」


だからこそ、女性を説得するなら素直に話すのが1番効果的だと思う。


「そんな事が信じられるわけがないでしょう…それに、貴方が本当に私達に危害を与えるつもりがないと言うのなら何故あんな危険な魔法を放ったのかを説明してください」


まぁ当然そうなるだろうな。


元々、この女性が俺を襲撃者と勘違いをしたのは俺が上空に虚無魔法を放ったのが原因だからな。


まずはそれの説明をしなければ誤解が解けないというのは分かりきっていた事だ。


「分かった、説明しよう」


俺は女性に虚無魔法となぜ上空に向けて虚無魔法を放ったのかを説明する事にする。


「じゃあ、説明するぞ…今回俺はとある事情でこの極寒地帯に居る筈のフェルに会いに行く事になった訳だ」


説明が長くなりそうな公国と教国の戦争については話さず、俺はフェルに会いにここにきた事だけを話す。


「ちょっと待ってください、そのとある理由とはどう言う理由なのですか?」


女性はなぜ俺がフェルに会いに行かなければならなくなったのかを聞いてくる。


「理由が気になるのは分かるが、理由を話すとなると話が長くなってしまうから質問は後でまとめて答えよう」


俺は女性にそう答える。


「だが、私も何故貴方が主人に会いにきたのかが分からなければ主人の元に案内する事は出来ません」


「だから質問には後で答えるって、先ずは全体の話しをさせてくれ」


「分かりました、後で全て答えて貰いますからね」


俺がそう話すと女性はそう言い、静かにしてくれた。


公国と教国の戦争について話すとしたら時間がかかるのでそれを話すのは後回しにさせてもらう。


というか今思ったんだが、この人、なんか喋り方が最初と違くないか?


いや、でも始めに話した感じはこんなだった気もする…


というより、パニックになっている時の喋り方が印象的過ぎてこの女性が最初どう話していたかが曖昧だ。


まぁ話し方なんて気にしてても仕方ないか。


「話しを戻そう、それで俺はフェルに会いにこの極寒地帯まで来たんだが、フェルがいるであろう中心部を目指して進んでいたんだが、進むにつれて吹雪が強くなってきて、自分から探すのは効率が悪いって思ったんだ」


「効率が悪い…ですか?」


女性が疑問符を浮かべている中、俺は説明を続ける。


「ああ、このまま視界が悪くて目の前も見えない中、どこに居るのかもわからないフェルを探し続けるのは効率が悪いだろう?」


極寒地帯の中心部にいるだろうと当たりはつけていても、具体的にどこに居るのかは分からないからな。


本来ならフェルの魔力を探って、フェルの元に向かえれば直ぐにフェルの元に着くはずなんだが…極寒地帯に降っている雪にフェルの魔力が混ざっていて何処にフェルが居るか分からない。


「…それで、あの魔法を放ったって事ですか?」


女性は俺の言葉から何故魔法を放ったかを理解したみたいで、俺に確認をしてきた。


「ああ、ある程度魔力を込めて魔法を放てば周囲にいる人はそれに気づくだろう?だから魔法を撃つことでフェルに俺がここにいる事を伝えようとした訳だ」


俺は女性に何で魔法を放ったかの理由を説明する。


「成る程…それで魔法を撃ったという事ですか…」


女性は説明を聴くと納得した様にそう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ