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「さて、これで吹雪の心配は無くなったな」


空間魔法で結界を作ったお陰で結界が吹雪を遮って吹雪に当たり続けるという心配は無くなった。


「よし、じゃあ、このまま進めていきますか」


吹雪を遮ることが出来たら後は結界内の温度を調節すれば快適に過ごす事が出来るようになる筈だ。


俺はこれで女性を休ませて、起きるのを待ってれば良い。


こうして女性が快適に過ごせる環境を用意すれば俺が敵対者では無いということの証明になるし、あわよくば警戒を解いてフェルの元に案内してくれるかもしれないからな。


俺は結界内の温度を魔法で調整する事にした。


部屋の温度は…この女性が快適に感じるくらいの温度にすれば良いか。


俺は装備のおかげでどんな環境でも快適に過ごすことができる様になっているから、どんな温度でも大丈夫だからな。


という事で俺は結界内の温度を調整し始める…


先ず始めに俺は普通の人が快適に感じるであろう26度位に結界内の温度を変化させる。


ちなみにどうやって室温を調べているかと言うと、昔のゲーム内のガチャで引いた外れアイテムの温度計を使っている。


ゲーム内では一切使い道の無いアイテムだったが、まさかこんな所で使う事になるなんてな。


まぁ温度計については置いておいて女性の様子を見てみる事にしよう。


俺は未だ寝ている女性の様子を伺う事にした。


「う〜ん…」


女性の様子を伺うと女性は何やら汗をかいてうなされている様だった。


「…26度だと暑いのか?」


どうやらこの女性にとって26度は暑いみたいだ。


まぁ普段こんな寒い所に住んでいるんだから当然か。


普段寒い所に住んでいる人があったかい所に来たら熱く感じてしまうという奴だろうか?


そう考えた俺は結界内の温度をどんどん下げていく…すると女性は汗も引いてきてうなされる様子も無くなった。


うんやっぱりこの女性は低めの温度の方がいいらしい。


やはり普段住んでいるであろう環境に近い温度の方が快適に感じるのだろう。


取り敢えず結界内の温度は5度位にしておいた。


女性がうなされずに静かに寝ているから大丈夫なはずだ。


「これで女性が起きるのを待ってれば大丈夫かな?」


一応女性がゆっくり休める様な環境は用意したし、このまま女性が目覚めるのを待っていれば大丈夫か?


「…いや待てよ、このまま女性が目覚めたとして、果たしてフェルの元に素直に案内してくれるだろうか?」


この気絶してしまった女性は俺の事をフェルを襲いに来た襲撃者と勘違いしていたのだ、そんな人物を主人であるフェルの元に案内するだろうか?


「可能性は低いか?」


この女性は俺に敵わないと分かっていてもフェルの為に命をかけて俺をフェルの元に行かせようとしなかった程フェルに対して忠誠心があった訳だ、まぁ直ぐに気絶してしまった訳だが…


そんな女性が襲撃者だと思っている俺の事を素直にフェルの元に案内する可能性は低い…というか無いだろう。


「どうにかして誤解を解かなければいけないな」


俺が思い付く女性にフェルの元に案内させる方法は1つだけだ。


それは俺がフェルを襲いに来た襲撃者では無いという事を証明して、ここに来たのはフェルに会いに来たと女性に信じてもらう事だ。


この女性以外にフェルの居場所を知っている人は居ないから、この女性に案内してもらうしかフェルに会いに行く方法ないからな。


それでだ、このまま女性が起きるまで待ったとして、起きた女性が俺の話を信じてくれるとは思えない。


女性は完全に俺の事を襲撃者だと思っているから、俺の話を聞いても自分を騙すための嘘だと判断されてしまって終わりだからな。


だから、先ず俺は女性からある程度信頼を得なければならない。


信頼してくれれば俺の話を聞いてくれるだろうし、フェルの元にも案内してくれるだろう。


ここで女性から信頼を得る方法は1つ、俺が悪い人物ではないと証明する事だけだ。


だが、現状俺が悪者では無いと証明する方法が無い。


あるとすれば今やっている、女性を介抱しているという事くらいだろうか?


普通なら敵を介抱する訳が無いから、それを利用して自分を介抱したこいつは悪い奴じゃ無いんじゃないか?って思わせることが出来ればこの女性も話くらいは聞いてくれるだろう。

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