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狼達はガルルルル、と唸りながら俺の周囲を包囲する様に集まってきている。


「確実に俺を仕留めに来てるな…」


俺の周囲に集まっている狼の数は軽く数十、いや数百匹は居るだろう。


この数は異常だ。


通常なら狼の群れは2頭~36頭位らしいが俺の周囲にいる狼の数はそれを遥かに上回っている。


数にして通常の3倍

以上の数の狼が俺を殺す為に集まってきている。


「こりゃあますます面倒な事になったな…それに、この狼達って絶対フェルに関係する奴じゃないか…」


俺は周囲に居る狼の数を見てこの狼達がフェルに関係する狼だという事を確信した。


狼の群れは最大36匹だと言われているのに現在俺を殺そうとここに集まっている狼の群れは数百匹に及ぼうとしている。


今こうして考えている間にもどんどん集合しているみたいだから全体的な数を考えたらもっと多いのだろう。


今回の場合、俺が虚無魔法を撃ったせいで本能的に狼達が俺を殺さないと危険だと判断して、別の群れとも協力をして俺を殺そうとしている、という可能性も有るが、それにしては連携が取れすぎている。


急造のチームだったらこんなに隙なく俺を包囲する事は出来ない筈だ。


という事はこの狼の群れを統率している存在がいると考えるのが妥当だ。


俺はこの群れを統率している存在がフェルだと予想している。


俺がそんな事を考えていると隙を見せたと判断してきたのか俺を包囲している狼の内の1匹が俺に向かって飛びかかってきた。


俺は襲いかかってくる狼の飛びつきを軽く後ろに跳ぶ事で回避する。


そして後ろに跳んだ俺を待ち構えていた狼達が一斉に噛み付こうとしてきた。


「危なっ!」


俺は自分に当たりそうな噛みつき攻撃をしてきた狼の顔を軽く殴って攻撃の軌道を外させる。


俺に殴られた狼はキャウン!と痛そうな声を上げる。


力は出来るだけ抑えたがそれでも俺に殴られた狼の痛みは相当だろう。


まぁ、俺を殺そうと攻撃を仕掛けてきたんだ、これくらいで済んで有難いと思ってほしい。


それに、この狼達がフェルに関係しない魔物達なら全員倒してしまっても問題ないんだが…


フェルの配下を傷つけるのはアレだがフェルも許してくれるだろう。


俺は周囲に威圧を撒き散らして狼達にプレッシャーを掛ける。


狼達は俺の威圧を感じたのか警戒しながら少し距離を取った。


「よし、これで少しは余裕できるな」


さっきみたいに俺の周囲を隙間なく埋められたら避けるスペースが無いし、それに避けてもすぐに次の攻撃を浴びせ続けられたら俺も避けきれない。


この吹雪の中、視界が悪くなっている状態で全方向から一気に攻撃されると面倒だ。


さっきみたいに狼達を攻撃して捌くしかなくなるからな。


だが、威圧を発動させた事で狼達は俺を警戒して距離を開けた。


これでスペースに余裕が出来たから攻撃も避けやすくなるしなにより狼達が警戒して俺に攻撃をしてくる回数が減るだろう。


俺はそれを捌くか単体で攻撃してきた狼を気絶させればフェルが来るまでは時間を稼ぐ事ができるだろう。


「さて、これからはフェルが到着するまでの耐久ゲームだ」


クリア条件はフェルが来るまでの時間狼達の攻撃を耐えきる、または狼をある程度気絶させるってところか。


前者はそのままフェルが来たら狼達に攻撃をやめさせるだろうし、後者は単純に狼を大量に気絶させれば狼達は嫌でも俺との実力差を感じるだろう。


そうなれば狼達は俺を殺すのを諦めるか上位の存在が来るまで俺をこの場で待機させる為に行動するだろう。


「狼達を殺さない様にするのは大変だけど頑張ろうか」


狼達の攻撃を捌きながら何かが起こるまで耐えきる、そう決めた俺だが、意外にも狼達は俺を倒そうとするのを諦めなかった。


「あなた達、何してるの!今すぐ攻撃をやめなさい!」


そして狼達の攻撃を耐えきる事十数分、何処からか大きな声が聞こえてきた。

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