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「だぁ~!もう見つからねぇ!」


俺は大声で叫んだ。


あの後も30分以上極寒地帯の中心を目指して歩いていたのだがフェルの居場所が分かりそうな手がかりも何も見つからなかった。


それどころか中心に進むにつれて吹雪の勢いも強くなっていっているからどんどん視界が悪くなる。


現在は数メートル先を見るのがやっとと言った感じだ。


「これじゃあフェルを探すどころじゃねぇぞ」


どうにかして視界を確保しないとフェルを探すどころか今俺が極寒地帯の何処を探索しているのかすら把握できなくなる。


前が見えないと方向感覚が狂うから、真っ直ぐ進んでいるつもりでも別の方向に進んでしまっていたなんて事もあり得る。


下手したら同じ所をぐるぐる回ってたなんて事になるかも知れないし、なったら最悪だ。


「やっぱりこのまま行動するとなるとやっぱり視界を確保する必要があるな」


さっきも言ったが、前が見えないとフェルを探すことすら出来ない。


このまま北に進み続けてもフェルの所に着くという保証は無いからな。


「となるとこの状況で視界を確保する方法を考えないとな」


現在、視界が遮られている理由はこの大吹雪だ。


強い風が全体的に吹いているから降り積もった大量の雪が舞い上がり、そして舞い上がった雪が原因で数メートル先までしか前が見えない。


前が見えない原因はこの吹雪だから、この吹雪をどうにかして対処する事が出来れば視界を確保する事が出来る。


「とは言っても吹雪は自然現象だからなぁ」


誰かが魔法で吹雪を発生させているなら術者をぶっ飛ばせばこの吹雪を消す事が出来る。


だが見た感じこの吹雪は魔法で作られた様には思えない。


実際、俺がここら辺一帯を覆っている吹雪をどうにかする事が出来るかと言えば出来ない事はない…というか出来る。


吹雪ごとここら辺一帯を魔法で消滅させれば吹雪は無くなる筈だからな。


でもそんな事をしたら極寒地帯に居るというフェルやフェルの仲間たちも魔法に巻き込んでしまう。


だからさっき言った案は必然的に却下だ。


他にいい方法はないか?


俺はどうにかして視界を確保する方法がないかを考える。


「となると1番簡単なのは…火か?」


そして俺は火を使えば良いんじゃないかと考えた。


俺が前を見ることができないのは雪が視界を埋め尽くしているからだろ?だったら火を使う事で雪を溶かす事が出来る。


火魔法を発動させれば周囲に火を出す事が出来るし、そうすれば火の熱で周りに舞っている雪を溶かして視界を確保できるんじゃないか?


うん、出来る気がしてきた。


吹雪が原因で前が見えないのならその原因である雪を如何にかして決して仕舞えば良いって訳だ。


そう考えた俺は早速行動を開始する。


俺は前方に向けて火魔法を発動させて火炎放射器の様に火を発生させる。


「う~ん、これじゃ駄目か…」


火炎放射器の様に火を出した事で一瞬前方が見えたが直ぐに風に運ばれた雪が視界を覆ってしまった。


「一部を溶かすだけじゃ駄目って事か?」


一部だけ雪を溶かして視界を確保してもすぐに風に乗って他の所からで雪が運ばれてきてしまった。


だからすぐにまた視界が雪に包まれて前方が見えなくなってしまった。


「周囲の雪を全部溶かすしかないか?」


一部を溶かしても直ぐに他のところから雪が来てしまうなら周囲にある雪を全部溶かしてしまえば…


「いや、駄目だな、どうせ一部の雪を溶かしても他のところから運ばれてくるだけだ…」


俺は思い浮かんだ案が実行出来ない事に気付いた。


さっき言った方法だと極寒地帯全域とは言わなくても相当な範囲の雪を溶かさないといけない。


そんな事をするなら普通にフェルを探していた方が楽だ。


それに、さっきフェルに迷惑を掛けるから大規模な魔法は使わないって決めたばっかりだしな。


「となるとまた別の方法を探さないといけないか…」


他にこの吹雪をどうにか出来る方法が無いかと考える俺だが良い案は全然思い浮かばない。


だが考え始めてから10分ほどだった時、俺はフェルを見つける名案を思いついた。

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