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202

受付嬢と話をしてから少し経った時、執務室のドアが開いた。


ガチャ!という音と共に執務室には今回の目的の1人で有る修羅が入ってきた。


「帰ってきたか…待ってたぞ」


入ってきた修羅に俺はそう声を掛ける。


「っ!」


俺に声を掛けられた修羅は驚いた様な反応をしてこちらに向けてパンチを放ってきた。


「おいおい、危ないじゃ無いか」


俺は修羅のパンチを振り向いて正面から掴み声を掛ける。


この威力、俺が止めなかったら部屋の中が大変な事になっていたぞ。


「主殿!…申し訳ございません!」


俺にパンチを受け止められた修羅は一瞬驚いた顔をして俺の顔を見る。


そして俺の顔を確認した所でさっきより驚いた顔をして…そしてすぐさま土下座をし始めた。


「修羅、顔を上げてくれ、それで?何が有ったんだ?」


俺は土下座をしている修羅にそう声を掛ける。


先ずは修羅に顔を上げさせて事情を聞かなければいけない。


修羅がいきなり俺に殴り掛かってくるとは思えないし、そもそも修羅の反応的に俺がここに居るのを知らなかった様な反応だったからな。


「本当に申し訳有りません!執務室に入ったら気配もしないのにいきなり声が掛かったので賊が入り込んだのかと…まさか主殿だったとは…この修羅、腹を切って謝罪を」


修羅はそう言って何処からか取り出した小刀で腹を…って!


「待て待て!いきなり何を言い始めてんだ!」


俺は馬鹿な事をやろうとしている修羅を止める。


「ですが!自分の主君に手を出すなど部下の恥!もうこうするしか…」


そう言えば修羅って武人設定だったな、だから切腹って…戦国時代じゃあるまいし


「俺は別に怒ってないから気にするな…それより、何かあったのか?」


帰ってきて部屋に入った瞬間に声が掛かる…そんな状況だったら驚いて手が出てしまうのも仕方ないかも知れないけどそれにしてもまぁまぁな威力で攻撃していたからな。


まぁ修羅は不器用だったからいきなりの事で加減を誤ったなんて事もありそうだけどな。


「いえ、今回は本当に私のミスです、用事を終えて安心した時に気配の無い場所から声が掛けられたので反射的に手が出てしまいました…」


気配が無い?…そう言えば…


俺は転移する前に掛けた気配遮断の効果を消し忘れていた事に気付いた。


でも可笑しいぞ…確かさっきエステラや受付嬢、冒険者達は俺の事を認識できていたな。


気配遮断の効果が上手く発動していなかった?いや、大通りを歩いているときはエステラ以外は俺を認識していなかったし、実際に今も修羅は俺に気づいていなかった。


となると考えられるのは…ユグドラシルオンラインと気配遮断の効果が変わっているという事か。


確かにスキルの効果がユグドラシルオンラインと違うスキルがあるというのは知っていたがまさか気配遮断も効果が変わっていたなんて…コレは後で検証する必要があるかもしれないな。


変更された部分を知らなくて何かを失敗しましたなんてなったら嫌だからな。


まぁ気配遮断については置いておくとして、修羅と話をする事にしよう。


「修羅、すまない!それ俺の所為だ、気配遮断を消し忘れてた」


俺は修羅に謝る。


「いえ…主殿に気づかなかった私が悪いのです、それに咄嗟の事とは言え主殿に手を出してしまうとは…本当に…」


修羅はそう言って落ち込んでしまった。


「まぁまぁ、気にするなって!俺も気配遮断を消し忘れてたって言うのも有るし、どっちも悪かったって事で手を打とうぜ」


俺は落ち込んでいる修羅にフォローを入れる。


「そう言ってもらえるとありがたいです…」


そう言った修羅の顔はさっきより少しだけ明るくなっている様な気がした。


よし、後少しって所だな。


「まぁ気にするな!失敗は誰にでも有るし、俺もいきなり自分でも気配が感じられない奴から声が掛かったら咄嗟に攻撃しちゃうと思うぞ、それに、失敗したなら次はしないように気をつければ良いだけだ」


「そうですね、気をつける事にします」


よし、修羅へのフォローはコレぐらいで良いだろう。

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