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「それで、ヤヨイはこの作戦のどこに問題があるって思ったんだ?」


ヤヨイの作戦を聞いた俺はヤヨイにそう聞く。


はっきり言ってヤヨイの作戦は俺の考えた物より全然良い物だ。


そりゃあ作戦に問題は有るがヤヨイの言っていた様に穴だらけという程では無い筈だ。


だから俺はヤヨイがこの作戦を穴だらけと言った理由が気になったのだ。


「確かにこの作戦には問題が何個かあったが、それだけじゃヤヨイが穴だらけなんていう筈が無い、だからヤヨイがこの作戦を穴だらけと言った理由が知りたい」


「分かりました、それでは私が何故この作戦を穴だらけと言ったのか、その理由をお話しします」


ヤヨイはそう言うと自分の意見を言った。


「マスターもお気づきでしょうがこの作戦には重大な問題がいくつか有ります、一つ目は私とマスターがそれぞれ公国と教国のトップに位置する人物にあって話をしたとしても、絶対に相国を騙す事が出来ないという物です」


コレは俺も考えていた物だ。


ヤヨイの作戦は俺とヤヨイが教国と公国の人に扮して相国のトップに会い、そして公国には邪神の力を使った兵器の存在を知っていると言い、自分達にはそれを凌ぐだけの戦力が有ると言い、教国には公国が開発したという新兵器の映像を見させる事で相国のトップに自分達が相手国と戦争をしたら負けると思わせる事で戦争を回避するという物だ。


だが、これを実行した所で確実に教国と公国のトップの思考を誘導する事が出来るわけでは無い。


例えば俺が公国のトップ…四大貴族に教国が邪神の力を使った兵器の事を知っていて、それを凌ぐ兵器を用意していると言ったとしよう。


四大貴族は教国の人が邪神の力を使う兵器の存在を知っている事には驚くだろう。


そりゃあ公国の中でも知っている人物は一握りのトップシークレットな情報だ、それを他国、それもこれから戦争をする国の人物が知っていると言うのなら驚くだろう。


だが、その後にこう考える筈だ、「教国が我々の開発した兵器を超える兵器を開発しただと、そんな事あり得るわけがない」ってな


四大貴族の一人が、教国が強力な兵器を開発していても邪神の力を利用している兵器を越えることなど出来る筈が無い、そう考えてしまえば作戦は失敗だ。


四大貴族…というより邪神の封印の維持をしている者は各国にある邪神の力が暴走すれば国一つ吹き飛ばす位のエネルギーが有ると知っている。


コレは以前聞いた話だが、邪神の力の封印を維持する役目を持つ者は、始めに邪神の力がどれだけ強大で、一度封印が壊れたらどれだけの被害が出るかを教えられるらしい。


だからこそ、そんな邪神の力を使っている兵器を超えられる物など、それこそ邪神の力を使った兵器ぐらいしか無い…そう考えられてしまったら作戦の成功は絶対に無理になってしまう。


その考えになってしまえば絶対に公国は戦争をやめようなんて考えなくなるからな。


そして教国についてなんだが、俺は教国については殆ど知らないから、予想することしか出来ないが、公国の新兵器といって映像を見せた場合、俺らの狙い通りに戦争をやめようとするか、逆に負けるぐらいならいっそ…となるかの2パターンしか思いつかない。


どちらにせよ、公国と教国、2つの国に戦争をやめようと思わせないといけないから、この作戦だと成功率が低いというのが問題になる。


「例え騙せたとしても教国と公国が戦争をやめようとする保証はないからな」


「はい、例え教国と公国を騙せたとしても戦争をやめようとするかは分かりません、しかも例え両方の国を騙す事が出来たとしても、少しすれば違和感に気づくでしょうし、そうなればまた戦争に発展する可能性が非常に高くなります」


俺がそう言うとヤヨイは頷いてそう言った。


「これが私が作戦を穴だらけといった理由の大部分になります」


確かに…この問題は作戦を実行するなら大きいな。

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