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公国にある邪神の力は本来の邪神の力の一部しか無いが、そのエネルギーはさっきも言った様に膨大だ。


現在そのエネルギーは避難所を拡張する為の空間魔法のエネルギー源にされているが、戦争が始まってしまえば邪神の力は戦争に使われる可能性が高い。


「多分だが、公国は今回の戦争で邪神の力を兵器として使うつもりなんだろう」


俺は予感…というより殆ど確信している事を伝える。


なんせ邪神の力から取り出したエネルギーを使えば高威力の魔法を殆どリスク無しで大量に敵国に対して撃ち込む事だって出来るのだからな。


そして現在、公国は教国との戦争を控えている。


公国は邪神の力からエネルギーを取り出す事ができ、高威力の魔法をリスク無しで連発できるが、対する教国側は当然そんな事は出来ないだろう。


もしも戦争が始まってしまえば十中八九公国が勝つだろう。


「それってつまり…」


「そうだな、このまま戦争が始まってしまえば、教国は多大な被害を受けて負けるだろう」


俺はこれから起こるであろう結果をヤヨイに言う。


「大変じゃないですか!」


ヤヨイは公国と教国の戦争の結果を思い浮かべ、そう叫ぶ。


そう、大変なのだ…このまま戦争が起こってしまったら大勢の人が不幸になるだろう…


別に俺は正義の味方と言うわけでは無い。


どこの世界で戦争が起ころうと俺には関係ない、だが俺はユグドラシルオンラインの時のステータスを持った状態でこの世界にいるんだ。


だったら目の前で起こりそうな戦争を止めようとしても良いだろう。


それに、俺が介入する事で解決する事のできる可能性が有るのに、放っておいたら俺が後悔する。


「ヤヨイ、俺は今回俺のできる事をやる…だからヤヨイも協力してくれ」


俺はそうヤヨイに頼む。


現在俺は戦争が起こるのを阻止する方法は思いついていない。


だがヤヨイが協力してくれるなら何かいい案が思いつくはずだ。


「マスター、私はマスターの従者です、そんな事を言われなくてもマスターに協力させて貰います」


「ヤヨイ…ありがとう」


ヤヨイの返事を聞いた俺はヤヨイにお礼を言う。


これで戦争を阻止することができる可能性が高くなった。


「よし、じゃあ戦争を阻止する為の案を出すことにしよう」


「そうですね、取り敢えず意見を出してから実行できるかを考えた方が良いでしょう」


「そうだな、じゃあ早速、と言いたいところだが、まずは情報の整理をした方が良いだろう」


「そうですね、そうしましょうか」


という訳で俺とヤヨイはこの国に来てから手に入れた情報を話し合って情報の整理をした。


「やっぱり戦争が起こる理由が納得できないよな」


「そうですね…教国側が戦争を仕掛けるメリットが少なすぎる気がします」


俺とヤヨイの意見は一致した。


今回起こる戦争は公国が宣戦布告を受け、教国から国民を守る為に…なんて言っているが、本当は公国から教国に宣戦布告したんじゃないかと俺は思う。


口ではなんとでも言えるし、それに戦争に勝てば敗戦国から賠償金、補填金として大量に金を請求でき、大量の利益を得ることが出来るからな。


多分公国は邪神の力を魔力に変換する術式を開発し、開発した公国は教国から物資を取る為に宣戦布告をした。


そう考えると今まで起こらなかった戦争が起こりそうになっている理由にも納得できる。


公国は邪神の力で絶対に戦争に勝つことができると確信しているのだろう。


公国としては教国から宣戦布告してきたと国民に伝えておけばとりあえず兵を集める事はできるし、戦争が始まっても邪神の力を使い自分達が優勢に動けるようにするだけだからな。


そして教国との戦争が終わったら教国から分捕った金で公国の上層部はウハウハと言うわけだ。


公国は多少の被害で莫大な利益を得ることができるのだからな。


と言うより教国側が公国に向けて戦争を仕掛ける理由が思いつかない。


教国は別に資金難で国が滅びそうという訳では無いから戦争を仕掛ける理由がないし、それに絶対に勝てるという自信がなければワザワザ大量の国民を死なせる可能性がある戦争を起こすわけが無いからな。

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