表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/280

184

「隠し通路を開いた俺は早速隠し通路の先を確認するため、隠し通路を進むことにした」


魔力が隠し通路の先から流れてきていた事から、隠し通路の先に避難所に掛けられている魔法に関係する何かが有るのは予想できるし、わざわざ見つけた隠し通路の先を確認しないという手は無いだろう。


危険かも知れないが、俺のステータスだったら多少のトラップは無効化できる…というより大抵の事はゴリ押しできるからな。


「まぁ隠し通路に入った瞬間に入り口が閉じたのはビックリしたが」


あの時は驚いたが、今考えたら隠し通路の存在が見つからない様に誰かが通った後に入り口が勝手に閉まるのは当たり前だよな。


そのまま隠し通路が開いた状態で放置されていたら隠し通路はすぐ発見されてしまうからな。


「入り口が閉まったんですか!?」


ヤヨイは驚いた様に声を上げる。


まぁいきなり入り口が閉まったなんて聞いたら罠に掛けられたと思うからな。


「ああ、初めは何かの罠かと思って注意していたんだが、特になにも無かったぞ…それに、罠だったとしても大きな問題になる様な事は無かったと思うぞ」


「そういう問題では無いのですが…まぁいいです」


はぁ…とヤヨイはため息をついた。


「それで、隠し通路に問題は無かった見たいですけど、その先にはなにが有ったんですか?」


ヤヨイは諦めた様に俺にそう聞いてきた。


俺はヤヨイに呆れられる様な事をした覚えは無いんだが…


「隠し通路は一本道で、迷う事なく進めたぞ…それで、隠し通路はとある部屋につながっていた」


そして俺はその部屋に邪神の力が有って、避難所に空間魔法をかける為の魔力リソースとして使われていたのを見つけた。


「その部屋は明かりの灯っていない暗い部屋だったが、部屋の中心には光を放つ魔法陣が有った」


「それが避難所に空間魔法を掛けていたんですか?」


「ああ、部屋の中央に有った魔法陣は魔力を使って避難所の空間を拡張するという効果の物だった」


ほんと、今でも邪神の力を魔法陣に注いで魔法発動のリソースにする術式なんて頭がおかしいと思う。


考え方じゃなくそれを実行してしまう事にだけど…下手したら厄介な戦いになる可能性が出てくるからな。


あの術式を考えた奴が敵に居るとしたら非常に面倒な事になるのは想像に難く無い。


「それで、避難所の空間を拡張している原因を見つけた訳だが…」


そこまで言って俺はとある考えを思いついた。


ヤヨイはあの部屋に邪神の力があって、邪神の力で避難所の空間を拡張していた事を知らない。


今ならヤヨイの事を騙せるんじゃ無いか?


前にヤヨイに騙されたからな、ここで仕返しをしても大丈夫だろう。


俺は不意に湧き出たいたずら心に逆らわず、ヤヨイに続きを話す事にした。


「その部屋に人の気配は無かった…」


暗い雰囲気で俺がそうヤヨイに伝えるとヤヨイは息を呑んだ。


「マスター、それって…」


よし、これでヤヨイには俺が魔法を発動させている場所を突き止めたが、助けるのに間に合わなかったと思わせる事に成功しただろう。


よし、ここら辺でネタバラシ…をしようと思った時、俺の頭の中にとある光景が浮かんできた。


それは俺がヤヨイに怒られているという光景だ。


何故この光景が頭の中に浮かんだのかは分からない、だが俺は咄嗟にネタバラシをしてはいけないと悟った。


そして直感的に思ったのだ、コレはネタバラシをした後の自分の姿なのだと。


さっきはヤヨイを騙せるという事で考えもしなかったがヤヨイは真面目な性格だ。


もしも俺がここでヤヨイに対して生贄になっていた人達をを助ける事ができなかった風を装っていた事を話したら確実に怒られる。


それも今回は冗談じゃなくてマジ怒りだ


ネタバラシをしたらヤヨイに本気で怒られると考えた俺は心の中で慌てに慌てた。


どうする!?どうすればココから軌道修正が出来る?


俺は思考加速を発動させどうにか解決策を思いつかないかを考える。


そして俺は思いついた。


コレだ、コレならヤヨイに怒られずに話を続けられる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ