18
「はい、ここが冒険者ギルドですよ」
先程助けたシスターの案内で俺は冒険者ギルドにたどり着く事が出来た。
「ありがとうございます、えっと…」
そう言えば名前を聞いていなかったな。
「あっ、そう言えば名前を教えていませんでしたね、私の名前はエステラです」
「それではありがとうございました、シスターエステラ、頑張ってくださいね、俺の名前はユウヤです」
「はい、ユウヤさんですか…聖書に伝わる伝説の聖龍の名前ですね、ユウヤさんも頑張って下さい」
おいぃ！神！なんで聖書にも俺の名前が書いてあるんだよ！
シスターエステラは応援の言葉を俺に掛けて去っていった。
さて、ここが冒険者ギルドか…ヤヨイの言うとおりならそこまで強い奴が居ないらしいが…
冒険者ギルドの看板には剣が重なっている様な物が書かれている。
冒険者ギルドの扉を開ける。
木製のドアが開く音と共にギルド内の様子が見えるようになった。
そこには昼間から酒を飲んでいる者やクエストの紙が貼ってある様な場所の前に人が居たりした。
やはり受付嬢は美人で、エルフや獣人の受付嬢が立っている。
俺は真っ直ぐ進んでいき、目の前にいる受付嬢に話しかける。
「こんにちは、少し良いかな？」
「はい、こちらは冒険者ギルドの受付となっております、本日の用件はクエストの受注ですか？」
マニュアル化されているのだろう、鎧などを付けていない俺は一般人として依頼をしにきたと思われたのだろう。
「ここに修羅という男は居るか？」
「えっと…ギルドマスターの事ですか？それなら居ますけど」
良かった、どうやら出掛けたりはしていないみたいだな。
「ではその人に会わせて貰えないか？」
「すみません、現在ギルドマスターは仕事中ですので、会うことは出来ません」
やっぱり一般人なんかをギルドマスターに会わせたりはしてくれないか。
「じゃあすまないがギルドマスターに五十嵐祐也が来たと伝えてくれないか？それで伝わると思う」
「は、はぁ、分かりました」
一応従ってくれたみたいで良かった。
修羅に会えなかった場合の最終手段はギルド内で暴れてギルドマスターが出ざるをえなくさせるだからな。
受付嬢が階段をあがりギルドマスターの執務室と書いてある部屋に入ったのを確認して少し待つ。
すると直ぐに扉がすごい勢いで開き、中からは修羅の姿が。
「主殿が来たと言うのは本当か！」
そう言って扉から出てきた修羅はキョロキョロと周りを見渡して居る…そして俺と目が合った。
「ぉぉぉ、主殿、私です、修羅です！お覚えになられますか？」
「俺がお前たちの事を忘れるわけがないだろ」
「主殿が来るのをこの修羅、随分とお待ちしておりました、それでは積もる話も有るのでこちらに来て下さい」
そう言われたので俺は修羅について執務室に入る。
「主殿、こちらに座ってください」
そう言われ修羅の対面に座る。
「それで主殿はいつ頃こちらに来たのですか？」
「俺はこっちに来てから大体1週間も経ってないよ、なんの説明も無しにこっちの世界に来てさ、寿命で死んだと思ったらゲーム時代の装備を着けた状態だったんだ、すげぇびっくりしたよ」
修羅は俺の話を静かに聞いている。
「それで主殿は何故私が王都で冒険者ギルドのギルドマスターをしていると知ったのですか？」
ああ、その事か
「それは俺がゲーム時代の装備をしていた時のだったからさ、もしかしたら能力なんかもゲームの時のと同じなんじゃないかと思ってな、能力の確認してた時に異空間に行ったんだ、そこでヤヨイに会って俺がこの異世界に来たことや修羅や他の皆の事を聞いたんだ」
修羅は俺の説明に納得した様だ。
「それではこれからはどう行動していくのですか？」
俺はその質問に答える。
「最初は冒険者をしつつ金を稼いで自由に過ごすとするよ」
