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ブラットさんは当時自分に言われた言葉について違和感を感じたらしい。


違和感を感じたという言葉当時のブラットさんのお父さんは普段とは違う様子だったという事だ。


という事は俺の考えは間違っていないかも知れないな。


俺は頭の中に浮かんでいると有る仮説が合っているかも知れないと考えた。


「どうやらその様子だと当時のブラットさんのお父さんはいつもと様子が違かったみたいですね」


「あぁ、今まで気づかなかったが確かに普段の親父ならあんな言い方はしない」


ブラットさんはそう言う。


多分ブラットさんが今までこの違和感に気づかなかったのは当時の事をあまり思い出さない様にしていたんじゃ無いだろうか?


当時の記憶はブラットさんにとっては嫌な記憶だろうし、わざわざ思い出そうとしないだろう。


だから普段とは違う父親の言い方に気づかなかったんだと思う。


「でも親父がいつもと違う言い方をしてたとしても俺が冒険者になるのを反対していたのは変わらないだろ?」


成る程、ブラットさんは結局言い方が違くても反対されたのは一緒だって言いたい訳だな。


だが、それは本当だろうか。


「ブラットさん、俺はさっき言ったじゃ無いですか、そもそも、ブラットさんのお父さんが冒険者になるのを諦めさせる為の物じゃ無いならって」


違和感は有った、冒険者に反対していたはずのブラットさんの父親がガンテツさんにブラットさんの師匠をする様に頼んでいたり、冒険者として大成した時の為にメッセージ付きのお酒を用意していたりと言った感じにな。


ブラットさんの話では父親は自分を家業を継がせる為の道具としてしか見ていなかったと言っていたが、本当にそうなら家業を継がずに家を出て行った息子にそんな物を用意するだろうか?


途中で気が変わった?そんな事は無いだろう。


ブラットさんは冒険者になってから8年位でAランク冒険者にまでなった、活動自体は公国でしていたらしいから、ブラットさんの活躍を聞く事も有ったかも知れない。


だが、ブラットさんのお父さんがブラットさんが活躍したのを聞いたとして、冒険者になるのに反対していたのにブラットさんにお酒を用意したりするとは思わないし、思いたく無い。


そもそも、本当にブラットさんが冒険者になるのを反対していたならガンテツさんにブラットさんの師匠になってくれと頼みに行く筈が無いからな。


「そもそも可笑しいんですよ、ブラットさんのお母さんはブラットさんが冒険者になりたがっているというのを知っていたんですよね?」


俺はブラットさんにそう質問する。


「ああ、俺が冒険者になるのを応援してくれたから知っていたと思うぞ」


ブラットさんからの返答は予想通りの物だった。


まぁさっき、ブラットさんがそう言っていたからな。


俺が質問したのは確認する為だったし、コレで母親が俺が冒険者になりたいのは知らなかったけど、話したら応援してくれたとか言われたらこっちが困る。


「ブラットさんのお母さんはブラットさんが冒険者になりたがっていたのを知っていた、だったらブラットさんのお父さんも知っていたのでは無いですか?」


そう、ブラットさんが冒険者になりたいと思っている事をブラットさんのお母さんが気づいていたという事は必然的にブラットさんのお父さんもそれを知っている筈なのだ。


俺が何故そう言い切れるのかと言うと、ブラットさんのお母さんが冒険者という死が身近にある職業に息子がなりたいと思っているのに気づいたなら、当然夫であるブラットさんのお父さんに相談する筈だからだ。


夫婦同士で話す事が無いという事は無いだろうから、一度はその話が上がった筈だ。


「そんな事は」


「無いと言い切れますか?」


ブラットさんは否定しようとするが、俺はブラットさんの言葉に被せてそう言い放った。

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