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まぁ簡単に言うと修羅が王国の冒険者ギルドに着任した事で冒険者ギルドが前よりずっと良くなったという事だな。


以前より死ぬ可能性が低くなって、ギルドのサポートによって自分のペースで成長出来るようになった感じだな。


「冒険者全体に影響が出たって事ですね」


「そうだ、王国の冒険者ギルドがこれを実施してから王国の冒険者の死亡率は凄まじく減少した、そしてとある問題が起こったんだ」


「問題、ですか?」


修羅がやった事に問題はない筈だ、冒険者が死んでしまう可能性を減らし、成長をサポートする、それは冒険者ギルドの役割だからな。


それが無ければ冒険者ギルドはただの取引仲介屋だ。


というより以前の冒険者ギルドは正にコレだろう。


他者からの依頼を冒険者に流し、そしてそれを達成した報酬の一部を貰う、冒険者が狩ったモンスターの素材を売り捌く。


そして自分たちが冒険者に流した依頼を失敗したりそれで冒険者たちが死んだら知らぬ存ぜぬだったらしいからな。


だがそれでも冒険者ギルドに入ってなかったら依頼なんて受けられないし、モンスターの素材を手に入れても商人と直接交渉するしか無いから、冒険者ギルドは維持出来ていたのだろう。


そしてそれを修羅が解決した、なのに何故問題が起こったのだろう?


「ああ、王国のギルドに新しいギルドマスターが着任した事で起こった問題、それは」


「…それは?」


ブラットさんは言葉を溜めている。


「他国の冒険者たちが次々と王国のギルドに移籍すると言ってギルドを去っていってしまうというのが続出した事だ」


「ああ~そういう事ですか」


つまり、修羅が冒険者ギルドのシステムを変えた事で他国の冒険者ギルドよりも全然良い環境で冒険者をする事が出来るようになり、それを知った冒険者たちが王国に集まってしまったという事だろう。


「優秀な冒険者を含め大人数の冒険者が王国の冒険者ギルドに行ってしまった事で他国の冒険者の数が大きく減ってしまったんだ」


そりゃあ冒険者の人たちも出来るだけ待遇がいい場所に行くのは当然だ。


今までは何処の冒険者ギルドでも同じ待遇だったからその国に居たが、王国の冒険者ギルドの待遇がその国より良くなったらそりゃあそっちに行くだろう。


同じ位苦労する依頼が有ったとしよう、その依頼の報酬が片方は銀貨10枚、もう片方が銀貨15枚だったら後者の依頼を受けるだろう、それと一緒で冒険者たちが王国に流れていってしまったという訳か。


「それで、冒険者の人数が減った事で王国以外の冒険者ギルドは冒険者が少なくなった事で依頼の受注数が大幅に減少したし、それにモンスターを討伐する冒険者の数が減った事で周りでモンスターが繁殖してしまったという問題も出てきたんだ」


今まで冒険者たちが討伐していたモンスターたちが、冒険者たちが王国に流れてしまった事で討伐する人たちが少なくなり、討伐数を繁殖による増加量が越してしまったのだろう。


「それで、王国以外の国は、王国が良い待遇を提案するで冒険者たちを集めた事に抗議文を送ったらしい」


他の国にとっては今まで、このシステムでも十分運用出来ていたのに王国の冒険者ギルドが余計なことをして冒険者たちを連れて行ったという感じなのだろう。


「身勝手だと思わないか?王国の冒険者ギルドがそっちもやりませんか?って言ってきたのをやらなかった癖に問題が起こったら王国がそんな事をしたからこうなったって文句を言うんだからな」


ブラットさんの言いたい事は分かる。


修羅はしっかりと他国の冒険者ギルドに情報の開示法なんかを提案していたのだ。


それを拒否して何もしなかったのに修羅がそれを実施して冒険者たちが王国に行ってしまったのを修羅たちのせいにするのはお門違いだ。


まぁ他人のせいにしたい気持ちも分からなくも無いが、流石に王国に文句を言うのは違うだろう。

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