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響き渡る門番の叫び声を無視して御者は馬車を進めた。


(この御者絶対に門番の驚く声を聞きたくてあのタイミングで言ったな)


俺は見ていた…門番が叫び声を上げた時に一瞬ニヤリと御者が笑っていた所を。


「それでは黒騎士さま、王がお呼びになられるまでこちらでお待ち下さい」


城に入った所でクリスと別れ俺は1人の兵士に連れられてとある部屋で待つように言われた。


どうやら客室の様で高価な調度品等が置かれており、王家の権威を表している。


まぁそれも成金の様に高価な物をただ置いているのではなく、バランス等が考えられていて、違和感がなく仕上がっている。


部屋を見たりしながら時間をつぶしていると扉にコンコンとノックが聞こえる。


「どうぞ」


返事をした所でメイドが部屋の中に入ってくる。


「黒騎士様、王の準備が整いましたのでこちらにいらしてください」


俺は返事をしてメイドについていく。


長い廊下をメイドについて歩いていくと豪華な王城の中でも一際豪華な扉の前に着いた。


「それではお呼びしたら入ってください」


お辞儀をしたメイドは廊下を渡ってどこかに行ってしまった。


「入ってよいぞ」


扉の奥から厳格そうな男の人の声がすると扉が開いていく。


俺は前に歩いていきながら考える。


(あれ?これって何処で膝をつけば良いんだっけ?)


アニメや漫画で王の前で膝をつくシーンが有るが、何処でやれば良いのかが分からない。


「貴様!王の御前であるぞ!」


その場に立ち尽くしてしまった俺は周りに居た貴族っぽいおっさんに怒鳴られた。


「良い、この者は娘を助けてくれたのだ、無礼等とは思っておらんよ」


「ハッ!」


だが、この王様は良い人みたいだな。


まぁ貴族の人も俺に注意しただけなんだろう。


「皆のもの、私はこの者と二人で話がしたい、一回部屋から出ていてくれないか?」


王様がそう言うと周りの貴族は驚いた様に話し声が聞こえる。


「あのような身分の分からない者と2人になりたいだと!」


「王の身に何か有ったらどうするのだ」


等々…クリスの父親は随分と周りの人に慕われているんだな。


「よい、私はクリスを助けたこの者を信じている、それにやられたとしたらそれまでだったというだけだ」


王様がそう言うと周りの貴族たちは諦めた様に後ろの扉から出ていく。


「さて、黒騎士と言ったな」


「ああ、そうだ」


周りの貴族が居なくなった所で王様が話しかけてくる。


「この度はクリスティーナを助けていただき、誠にありがとうございました」


いきなり王様がお礼を言ってきた。


それも敬語でだ、それほどクリスの事を大切に思っているのだろう。


王族としての行動より父親として行動したという事になるな。


「いや、俺はたまたま襲われているクリス達を見つけて助けただけだ、特に礼などは必要ない」


「そうか…だが、お礼の品は貰ってもらうぞ、これは王家の威信に関わるからな」


成る程、王族を助けてお礼が渡されなかったとなればいざとなった時に助けてもらえなくなるしな。


でもなぁ~アイテムボックスの中に入ってる奴の方が性能高いし、いざとなったら自分で作った方が全然良いものが出来るんだよな。


「私に用意出来るものなら言ってくれたら用意しよう」


「と言っても現状欲しいものも無いんだけど…そうだな、よし、これは出来るか?」


俺は偶々思い付いた事を王様に話してみる。


「よし、その位なら全然良いぞ」


という訳で俺の提案は王様にOKされた。


「では今回の礼は王城に自由に入ることが出来るようにするという事で良いな」


「それで良い」


そう、俺が思い付いたのは王城に自由に出入りする事を出来るようにしてほしいという物だ。


2日3日だが、共に行動した仲だからな、これでもう会えないとなったら寂しいから、自由に会いに行けるようにと思い付いたんだが、どうやら受理されたみたいだな。

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