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「マスター、あそこがレントルード侯爵の屋敷みたいです」


ヤヨイはレントルード侯爵の家らしき屋敷を指差す。


「ここか…やっぱり見張りの兵は居るな」


屋敷の門の前には武装した2人の兵士が立っていて、どうやら話をしている様だ。


「よし、ヤヨイ、先ずは屋敷の周りを探ってみるぞ」


ヤヨイが頷いたのを確認した俺は魔力視を発動させて屋敷を囲っている壁の方を見る。


「魔力反応は…どうやら無いみたいだ」


魔力反応が無いという事は魔力で稼働する魔道具が屋敷の周りに設置されていないという事だ。


「ヤヨイ、どうやら魔道具は設置されていないみたいだ、壁を飛び越えて中に侵入しよう」


ヤヨイにさっき調べた事を話し、壁を越えて侵入する様に提案をする。


「そうですね…私たちを察知する魔道具が無いのでしたらそうしましょう」


ヤヨイも異議は無いようで俺たちはジャンプして壁を飛び越える。


「…よし、侵入成功だな」


音が鳴らない様に着地をする。


「はい、周りに人の反応は無いのでこのまま屋敷にも入ってしまいましょう」


「そうだな」


俺とヤヨイは降り立った庭園から屋敷に侵入する為に屋敷の周りを探索する事にした。


だが、屋敷の扉は全て閉まっているし、窓が開いている様子もない。


「マスター、どうします?ドアを壊して侵入しますか?」


ヤヨイは侵入経路が無いと分かった所で俺に提案をしてくる。


「…まぁそれでも良いが、どうせならバレずに侵入しよう」


「この状況でどうやって屋敷に侵入するんです?」


ヤヨイは不思議そうに首を傾げ、俺に聞いて来る。


「屋敷の中に直接転移すれば誰にも気づかれないで侵入できるだろ」


「ああ!そう言えばそうですね、名案です」


空間魔法で使用できる転移魔法だが、転移魔法には3つの種類がある。


1つ目が一度行った事が有る場所に転移する普通のテレポート。


基本的に使うのはこれだな。


2つ目が以前に謎の研究施設に行った時に使用した完全にランダムな位置に転移するランダムテレポート。


ランダムテレポートは基本的に使う事は無いが自分の知らない所に行く事が出来る。


ゲームの時では低確率でレアモンスターが居る場所に転移する事も有ったので、暇な時に運試し程度に発動する事が有った。


そして3つ目、これから使う転移魔法なのだが、名前はショートテレポート、効果は使用者の視界に映る場所に転移する事が出来るという物だ。


視界に映る場所に瞬時に転移できるから、敵対している相手の目の前に一瞬で行く事が出来る他、相手から逃げている場合にも一瞬で距離が稼げるという汎用性が非常に高い転移魔法なのだ。


これを使いこなせば、一瞬で間合いを詰めて相手に攻撃する事が出来るので、相手に防御をさせる事もなく攻撃を繰り出す事が出来る。


これらの転移魔法は、それぞれ発動に必要な魔力量が変わる。


テレポートの発動に使用する魔力は、某ドラゴンなクエストの転移と同じで、どんな場所に転移しても同じ量しか使用しない。


ランダムテレポートも同じで、消費する魔力量はどんな場所に転移しようと同じだ。


そしてショートテレポートだけは移動する距離が多ければ多い程消費する魔力量が上昇するのだが、その便利さを考えれば多少消費する魔力量が増えようが関係は無い。


今回はショートテレポートを使用して、屋敷の中に入ろうという訳だ。


外から窓を覗けば屋敷の内を見る事が出来るので、視界に映る場所という条件は満たしている。


「じゃあヤヨイ、転移魔法を発動する、こっちに来てくれ」


俺はショートテレポートを発動させる為にヤヨイに近くに来るように言う。


テレポートを発動させる時に気をつけないといけない事が1つ有る。


それは一緒に転移したい人がいる場合にはその人に触れていないと一緒に転移する事が出来ないという物だ。


俺は近くにきたヤヨイの肩に手を置き、ショートテレポートを発動させる。


そして転移は無事に発動し、俺とヤヨイはレントルード侯爵家に侵入する事が出来た。

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