表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/280

105

「よし、これで大丈夫か?」


俺は最終確認として隣にいるヤヨイに荷物を見せてそう聞く。


「ええ、必要な荷物は全て有ります、これなら多少のイレギュラーがあっても対応出来るはずです」


ヤヨイの返事を聞いた俺は旅の荷物が入った袋をストレージにどんどんしまっていく。


邪神の力に呑まれた悪魔を倒し、王城から帰った俺は残り4つの国に封印されている邪神の力をどうにかする為に4つの国を目指す事にした俺は、すぐさま旅に出るための準備を開始した。


流石に王城から帰った頃には夜になっていたので、準備を開始したのは次の日からだが、この一週間を俺は旅に出るための準備に費やした。


ストレージには充分な量の食料や水、旅に役立つ様なアイテムが有ったが、旅先での食料の確保や、その他諸々を考えると念のため準備しておいても損は無いからな。


と言っても食材などの確保をしたのは4日程度で、残りの時間は王都で知り合った人たちに旅に出る事を伝えたりしていた。


ヤヨイと相談した結果、始めに目指すのはこの王都から東にある国である公国に決まった。


決めた理由は冒険者ギルドに公国に向かう行商人の護衛という依頼が有ったからだ。


確実に公国に向かう事が出来るし、商人から現在の公国の状態なんかが聞けるかもしれないからな。


ところで、何故ここにヤヨイが居るのかと言うと、旅に出るという事が決まった時に、1人で旅をするのもあれだからと俺が一緒に行かないか?と誘ったからである。


ヤヨイも初めは異空間にある俺たちの屋敷を整備する人が居なくなるから行けないと言っていたのだが、俺が屋敷を整備する為のゴーレムを作って、説得した事で来てくれる事になったと言うわけだ。


と言うわけで、行商人の護衛の依頼が始まる日まで、俺とヤヨイは待っていたと言うわけだな。


そして本日やっと行商人の馬車が出発するという事で、ちゃんと準備ができているか、荷物の最終確認をヤヨイとしていた。


「それじゃあヤヨイ、行くか」


「はい、マスター」


俺はヤヨイに声を掛けてから部屋を出る。


ヤヨイはすぐに返事をして俺の後ろについてくる。


宿から出で東門を目指して歩き始める。


王都のダンジョンのスタンスピードを収めてから一週間。


避難所に避難していた人達も全て元の家に戻ることが出来て、街の様子はは今まで通り…いや今まで以上に賑やかになっている。


と言っても市民の間では、王都が無くなるかもしれないと話されていた事が1日で解決されて、3日目には全ての市民に避難解除の指令がでた事から、ダンジョンにスタンスピードが起こるというのが勘違いだったんじゃないか?という疑惑も出ていたらしい。


一部の商会の人達はスタンスピードの警報が誤報だったのなら、避難していた間に本来なら稼げていた筈の利益をどうしてくれるんだ!と冒険者ギルドに怒鳴り込んで来た奴もいるらしい。


修羅は怒鳴り込んできた商人に、スタンスピードは実際に起きていたと説明し、その証拠として俺が渡した素材を見せたらしい。


流石に出された全て素材と魔石が強化種の物という事で商人も納得するしか無かったらしい。


それだけの素材を誤報の誤魔化しに使うはずが無いし、そもそもこれだけの量の強化種の素材を用意するならば相応の金額が動く。


それが確認されていないから、信じられなくても信じるしかないって訳だ。


まぁ実際にスタンスピードは起きていたし、それを1日で収めたのも事実だ。


街では、冒険者ギルドにいた冒険者達がスタンスピードを収め、王都の危機を救った謎の黒騎士が居たというのを酒場で話しまくったせいで、市民の間では謎の救世主なんてあだ名がついているらしい。


そして街が賑やかになっている理由は俺の渡した強化種の素材を求めて王都に商人達が集まっているからだ。


これから俺が受ける護衛対象の商人も、王都で手に入れた強化種の素材を公国に運んで売りさばくらしいしな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ