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龍神の杖から擬似的なドラゴンブレスが放たれる。


虚無魔法と同じく七色に光る魔法は真っ直ぐ悪魔の元に進んでいく…そして見事悪魔に直撃した。


やったか、等とフラグが立ちそうな事は言葉に出さない…が、俺の予感はこれで終わりでは無いと告げていた。


「っ!?」


悪魔が死んだか分からない状況で暗闇に立っていた俺だが、いきなり後ろから何かに殴られた。


俺の身体は空中に浮かび、更に追撃の一撃をくらって殴り飛ばされる。


俺は空中で体制を整えながら攻撃が来た方向を見る。


「可笑しい…」


俺を後ろから攻撃したのなら後ろにあの悪魔がいる筈。


なのに後方を確認しても暗闇で悪魔の姿は確認できなかった。


この部屋の中に居るなら足元が何故の光に照らされる筈。


俺は周りを確認するが足元に照らされる筈の光が見当たらない。


敵がどこに居るかわからない状況。


俺は目を閉じて集中を高める。


暗闇で目が見えないのなら目で見なければ良い。


目を閉じた事により視覚が遮断され、他の感覚が鋭くなる。


どこに居るかは分からないが、必ずこの空間に悪魔は居る、ならば音で悪魔がどこに居るかを探せば良いのだ。


ヒュンという風を切る音が前方から聞こえる。


俺は軽く横に移動して攻撃を避ける。


こっちに居るのか…


俺は手に持っている龍神の杖を腰に固定し、悪魔の居る方向に向かって進んでいく。


足音がしない…どうやら悪魔は地面に足を着けていない、つまりは空を飛んでいる様だ。


先ほど音がした方に向かっていくと何かが風を切る音が近く、大きくなっていき、そしてその音のなる回数も増えている。


魔法…では無いか、それなら…


魔力は感じないし、音の数は軽く見ても十を超えている。


だから腕を振り回している、という線も無い。


だとすればこの音の正体は…邪神の触手を使っているのだろう。


俺は音の大きさで触手との距離を測りながら悪魔の攻撃に当たらないように回避行動を取る。


「数が多くなってるな」


悪魔に近づくにつれ風を切る音が多くなっている…どうやら触手の数が増えているみたいだ。


同時に何方向からも来る攻撃を避けていくのが面倒になってきた俺は無名を抜いて俺を襲ってくる触手を切り落とす事にした。


ザクっと俺に攻撃をしてくる触手を斬りつけ、触手を切り落とす。


斬られた触手は操作を失い、地面に落ちる。


ベチャッという音が俺の耳に入りビチビチと地面を跳ねる音も遅れて聞こえてくる。


切断しても動くのかよ


触手を斬り落としながら悪魔の居る方向に向かっているのだが、地面に落ちた触手の跳ねる音で悪魔本体の音が聞こえにくい。


そしてやっと悪魔の本体、触手が蠢いている音が一番大きい所に近づいた俺は無名で悪魔に向かって斬りつける。


が、悪魔の身体に当たったと思ったら刀はヌルッと滑って悪魔の身を切る事は無かった。


「何!?」


そして俺が驚いた隙に悪魔は意味不明な叫び声をあげならが攻撃してきた。


無数の方向から襲いかかる触手。


俺は刀で触手を斬り落としながら悪魔の攻撃を対処する。


「ヤバっ!?」


そして後ろから来る触手を斬ろうとして踏み込もうとした時、俺の足はヌルッとした物を踏みつけた。


足が滑って体勢を崩した俺はすぐに体勢を整えようとしたが、吹き飛ばされる。


「ッ!」


俺は悪魔の巨大な触手に横っ腹をぶん殴られ、体勢が崩されたまま空中を飛ぶ。


大丈夫、ダメージはそこまでくらっていない。


落ち着いて着地をしようとしたのだが俺が暗闇で俺がどの位の高さに居るかも分からない。


「ワァ!」


俺は大きい声を出して音の反響を利用して地面との距離を測る。


結果、俺は後1秒もしないうちに地面にぶつかるというのが分かった


俺は急いで地面に落ちる衝撃に備える。


この体勢じゃ受け身すら取れない。


背中から地面に落ちた俺はすぐにその場で立ち上がる。


くそ、やっぱり戦いにくい。


目が見えないなら音で状況を判断して戦うという作戦自体は良かった。


悪魔の攻撃自体は分かるし、対処自体も出来る。


だがこの部屋には俺と悪魔しかいない上に悪魔との戦闘以外に物音が立たない。


今みたいに飛ばされれば一々大声を出さないといけない。


大声を出せば相手にどこに居るかを教える様な物だし、何より悪魔の触手が跳ねる音で集中が乱される。


これはどうにかして視覚を確保しないとヤバイかもしれないな。

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