序章
アクセスしていただき、ありがとうございます。
>その世界は、本当に君のいるべき場所なのかな?
そんなことは何度も思った。誰かにこびへつらわなければ生きていけないこの場所は、俺にとっては地獄よりも地獄らしい。
そんな俺でも、誇れることが一つ今日増えた。
最初で最後の偽善。
人間なんて糞くらえ。世界なんて滅んでしまえ。
それが俺の座右の銘なはずなのに、勝手に体は動いていて。
「――おにいちゃん!……ぃ、ゃ」
小さな女の子の、俺を呼ぶ声がどんどんと遠くなる。
射貫かれた胸が熱い。
鼻からは、終始さび付いたような鉄の臭い。
実はというと、目はもう見えていない。自分がどんな体勢で倒れているかも分からない。
でもわかる。俺が助けた女の子が、必死に俺の肩を揺さぶっている。
この子を、守れた。それだけで俺の人生は。
>嘉島行汰
享年15歳。
誰からも憎まれ、それでも挫けず正義を成した彼。
俺は、いつも正しいことをしてきたつもりだった。
だけれども嫌われ除外され。
そうしてようやく理解した。世界が正しくないから、どうしようもないのだと。
金、地位、顔。
人間なんて、そんな部分しか見ていない。
世の中には『偽善』がはびこっている。
テレビをつければ誰かがだれかを悪役に仕立て、自分が正しいと弁舌を弄する。気持ち悪くて仕方がない。
けれども最後の最後で、俺はその大嫌いだった偽善者になってしまった。
たった一人の女の子を救い、そうして死んだ。
本当の勇者なら、そこで死ぬような下手は踏まないのだろう。
だから俺はどうしようもなく悪役なんだ。
>>>hfuoa;ijema:
声が聞こえた。
そこに意識なんてなくて、ぷかぷかと浮き続けていたら聞こえてきたんだ。
雑音のような、機械音のような、歌声のような。
不気味で、おぞましくて、けれども温かい声が。
>>ふいt;あいj
生き返れるなら、どう行きたいかって?
そんなもの決まっている。
誰もが一目ぼれしちゃう位のイケメンか、それがダメならめちゃくちゃ可愛い女の子に生まれ変わって。
今度こそ、正しいことをしても誰からもイジメられない。
そんな人生が、送りたい。
>何が、ほしい?
こんな自分を、変える力が欲しい。
分かっている。自分がひねくれていることも。もっと上手な生き方があったことも。
だから。
例え世界が不変であっても、俺は変わりたい。たくさんの人と出会って、こんな自分を変えたいんだ。
――スキル【キャラメイク】を獲得しました。
>こんにちは。
>>この世界は、すべてが初めから決まっているつまらない世界だよ。
>>>けれども君は、こんな異世界で生きていかなければいけない。
>>>>せめて、君の歩む人生に
>>>>>幸あれ。
目を通していただき、ありがとうございました。