楽しいコンビニバイト 4
馬山さんが車で賃貸アパートの二階にある借りている部屋に帰ってくる。まずは軽食を取る・お風呂に入る、一眠りしようか考えたが、その前にど忘れしたことを思い出さないと頭がもやもやしてスッキリしないのでノートパソコンを立ちあげた。
検索大手のサイトで『コンビニで商品を読み取る道具』と検索して、わかったので馬山さんはもやもやがなくなってすっきりできた。
「バーコードスキャナか!!」
「おはようございます、高橋さん」
私は元気良く挨拶をした。高橋さんが何でかわからないが複雑そうにしている。
「今日も一緒なのね……」
「ん……」
休憩室のドアを開けて、店員制服を着ている同年代くらいの女の人が入ってきたので私は自己紹介した。
「あ……はじめまして。猫好です」
「小吉彩子だよ、よろしく」
クールな感じで挨拶を返されたので私はフレンドリーに笑顔で言った。
「よろしく小吉さん」
高橋さんが苗字で何かを気付いたようだ。
「小吉? 小吉ってたしか……」
別に隠す必要は無いといった感じでクールに小吉さんが答える。
「うん……店長の娘だよ」
「マジで!!」
私と高橋さんは同じ反応をしてしまった。
「店長の……娘!?」
「うん……」
私達が驚いているのに、小吉さんの反応は薄い。
「かわいい! 似てない!」
まず私が思ったことを口に出す。高橋さんが私に続いた。
「スタイルいい! 髪長い!」
私は彼女が店長の娘だということで、店長と似ていそうな場所を言う。
「あ……でも目は少し店長と似ているかも」
高橋さんは失言じゃないのかと危惧していたようだ。
<ばっ……! 気にしてたらどうすんのよ!>
高橋さんが小声で私に指摘してくる。でも小吉さんはまんざらでもない様子だった。
「そ……そうか?」
(喜んじゃった!)
「ところで……馬山を見なかったかな?」
きっと小吉さんは数年前から馬山先輩と親しい間柄(遊んでもらったと考えるのが妥当)だったのだろう。先輩を名字だけで呼ぶということはそうじゃないと説明つかない。
「馬山さん? 見かけなかったなぁ」
高橋さんが制服に着替え終わったところで「見なかった」ことを告げると、小吉さんは納得した。
「アタシ達が来た時もいなかったわよ」
「そう……休憩時間過ぎてるのに」
それから彼女がナチュラルにシャレを織り交ぜる。
「まったく……しかたにー(しかたない)な」
馬と鹿の違いがあるとかより、私と高橋さんは小吉さんがシャレを言ったことに目を丸くしてビックリしてしまった。
「本当に? 私達と同い年なんだ!!」
仕事が始める直前の時間、私達は小吉さんと雑談をする。
※高橋さんの視点 ↓
店長の娘、彩子さんの胸がC~Dカップ前後ある胸を見た後で自分のない胸を見て彼女は絶望する。
「ウソ!! 絶対嘘!!!」
コンプレックスを刺激してしまったのか、小吉さんの胸を指して高橋さんは叫ぶ。
「?」
小吉さんはよくわかっていなさそうだった。
「遅いぞ馬山!」
店長室から出てきた先輩に小吉さんが注意した。ここまでいえるということは彼女が仕事の出来る証明になるのかもしれない。
「すまない小吉君」
「今日の倉庫作業……二人の面倒は私が見る?」
もちろん自分が教えるつもりだったようで先輩は確認した。
「小吉君が?」
小吉さんがなきにしもあらずのことを、不安にさせる言い回しで言う。
「うす暗い倉庫……相手は女の子、誰も助けに来ない。馬山では不安だ」
小吉さんの話術で不安になり、私と高橋さんが疑いの気持ちを持ってしまったのは事実である。先輩は濡れ衣を着せられているような心境になったっぽい。
「僕を何だと!?」
次の話で完結予定