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PATTERN4    作者: 鏡月
1/1

發の章          壱

特殊能力者の存在が公になってから既に20年経つ。

慣れというのは恐ろしい物でメディアもそれについて余り触れなくなり、前ほど世論も騒がなくなった。


しかし俺は世間の反応など興味はない。

俺が目指しているのはあくまで人間としての基本概念だ。


対特殊能力犯罪者対策国家直属部隊、通称ニツイ。

警察だけでは処理できない特殊能力者の犯罪を専門に取り扱う、我が国直属の組織である。


構成員は全て特殊能力者で構成される。

それは当たり前に聞こえるかもしれないが、この世で唯一特殊能力者を対象とした職業なのだ。


特殊能力は言わば絶対に取り外す事ができない武器を所持しているような物だ。

職業は著しく制限され、能力によって結果を左右する事のできるアスリートは能力の内容問わず特殊能力者はできない。

他にも特殊能力者が故に就職できない職業は山ほどあり、近年ではそれが問題となっている。


ここまで言えば前記の人間としての基本概念の意味が解ると思う。

大昔の、しかも世界屈指の先進国で安定を求めるなんて、あまりに笑える話で死にそうだ。


それでも俺は辛うじて弩底辺にならなくて済む。

ニツイに所属したってだけで安定プラス勝ち組の座が手に入る。


段ボールに一杯の私物を持ち、対特殊能力犯罪者対策国家直属部隊の前線部の部屋に入る。


「本日、対特殊能力犯罪者対策国家直属部隊、前線部に配属されました忠式通夫です。よろしくお願いいたします」

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