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賢者は仲が悪い

  須賀が先手を取った。

 「オレ、得意分野は肉弾戦なんす…って知ってたかよオラァ!」

 自重しろ須賀ぁあ

 「クク、子供はいつでも無垢で罪はない」

 タシ

 須賀の跳び蹴りが容易く止められる。

 「といって…罰がないわけじゃない」

 「ぐっ…」

 「須賀っ」

 「先輩…オレ、迷惑はかけないっすよ」

 須賀は腰からナイフを抜き、掴まれた自分の足に

 振り下ろした。

 「…!」

 バッ

 「あぐっ」

 「貴様…狂ったか」

 「へへ、いちか…バチか…あんたが手を離して良かった…」

 いや、良くない

 良くないぞ須賀

 お前の足…血だらけだ

 「そして…チェックだ有明サマ」

 「なっ」

 「えっ」

 パチンと鳴った。

 須賀が腕を振り下ろした。

 有明が崩れた。


  須賀が立ち上がる。

 「っ…神経まで切っちゃいないっスね」

 「お前…何した?」

 「やだなぁ先輩、寝てたんすか」

 いや、起きてた

 目ぇ凝らしてた

 「オレの得意分野は肉弾戦だけど、得意武器はコッチ」

 ピン

 「ワイヤー?」

 「貴様ぁ…小賢しいことを」

 「あんたの体は自由じゃない。オレが操れる」

 クッと須賀が拳を引くと、有明の頭が不自然に上がった。

 有明は首を引っかいている。

 「いつ、つけた?」

 「疑問ばっかスね先輩。跳び蹴りなんて阿呆なこと、策もナシにしませんよ」

 「ぐっ、かは」

 有明?

 「あ、切ろうとか思わない方がいいっスよ。それ、合金ですから」

 須賀?

 「ふざけるなよ…こんな糸切れで勝ったと思ったか小僧ぉおおおぉお」

 有明、流石だ


  形成はそう簡単に変わりゃしない

 「ゴホッゴホッ」

 だろ、有明?

 「造作ない」

 倒れてるのは須賀

 向き合うのは有明

 「合金にはな、温度と曲性という弱点があるんだ」

 「ゴホッ」

 「貴様は武器に慣れていても腕力が無い。まさかワイヤーごと飛ばされると思わなかったろう」

 「…せぇな」

 「自分の弱点を知るのは貴重だぞ」

 「黙れ」

 なんか、でしゃばった俺

 「先輩…」

 「よくやった須賀。あいつ相手に三分持てば上出来だ」

 「嬉しくないッス」

 はは、そう言うな

 「寝て…良いスか」

 レム睡眠ならな


  有明、お前つえーな

 「結局こうなるなら初めから貴様と闘うべきだったな瀬戸。仲間が犬死にだ」

 「死んでねぇよ誰一人」

 「フフ、大切か?」

 いや全然

 今日知り合った奴らだし

 「あぁ、有明よりな」

 あれ、俺ぇええ

 思った通りに喋れよう

 「じゃあ、今回の告白といこうか」

 「断る」

 「へ」

 「クハハッ、間抜けな本性が出たな」

 「…貴様こそ相変わらずの軽口だな」

 「その軽口に返しもできないんだな」

 「無駄なことしか言えぬなら不要だ」

 「だからお前は完璧になれないんだ」

 「時間稼ぎは終わりか?」

 「お前と戦う事態が暇つぶしだが?」

 有明の顔が強張った。


 怒れよ

 俺、怒ってるから




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