第四話
王城に到着したアンリはまずお風呂場に連れ込まれた。
待機していたメイドさん達に服を剥ぎ取られ裸にされる。
前世の記憶が蘇ってからはじめて自分の体をみたが本当に女の子の体になっていた。
今世の記憶もあるので混乱することがなかったのが幸いだった。
メイドさんに体をごしごしと洗われる。
家では水を汲んで濡れた布で体を拭くぐらいだったので汚れているのは仕方ない。
メイドさん達は洗ってはお湯で流し何度もそれを繰り返す。
髪も洗われ終わった頃には綺麗な金色の髪になっていた。
「アンリ様。かゆいところはありませんか?」
最後にそう聞いてくる。
「いえ」
「では、髪を結んだらお湯をお楽しみください」
そう言って肩まで伸びている髪をまとめてくれる。
今世では初のお風呂だ。
アンリはお湯につかりならが体を伸ばす。
お風呂は心の洗濯というが温かいお湯が体に染み渡る。
アンリは心ゆくまでお風呂を楽しんだ。
「アンリ様はお風呂が好きなのですね」
「はい。はじめて入りましたが気持ち良かったです」
「王城では好きな時に好きなだけ入れますよ」
「そうなんですか?」
お湯を用意するのだって簡単ではない。
だというのに、好きな時に好きなだけ入れる。
これだけで傍付きになった価値があると思った。
「では、アンリ様。失礼します」
そう言ってメイドさんはアンリの胸をまずさらしで締め付ける。
かなり強く締め付けられている為、痛みが襲ってくる。
だが、これは必要なことだ。
アンリはそう言い聞かせて我慢する。
「胸の方はこれで大丈夫でしょう」
「ありがとうございます」
「では、こちらに着替えていただきます」
用意されていたのは男物の服だった。
男装するのだから当然といえば当然なのだが。
「髪って切った方がいいんですかね?」
「いえ。男性でも伸ばしている方はいらっしゃいますから」
どうやら髪はこのままでも大丈夫なようだ。
ちょっと気にいっていたので切らなくてよいと言われてほっとする。
そんなことを言っている間にも着替えは進み最後に髪を後ろで束ねられる。
「どうですかね?」
「ちょっと華奢ですけど立派な男性に見えますよ」
「そうですか」
これで王太子殿下と会う準備は完了だ。
「では、まずはお部屋にご案内します」
「ありがとうございます」
アンリはメイドさんに連れられて自分の使う部屋に向かった。
アンリが家から持ってきた荷物は他のメイドさんが抱えてくれている。
部屋に到着するとアンリに与えられた部屋はかなり広かった。
「ここがアンリ様の部屋となります。必要な物があればおっしゃってください」
「いいんですか?」
「はい。大抵の物はご用意させていただきます」
ここまで丁寧な対応をされるとは思ってもみなかった。
アンリの王城での待遇はかなり良い物のようだった。




