第二十四話
ちゅんちゅんと鳥の鳴く声で目が覚める。
カーテンを開けて外を見れば快晴だった。
「うぅ~ん・・・。今日もいい天気だな」
アンリは着替えを済ませマスクウェルの部屋に向かう。
ノックをするが反応はない。
マスクウェルはまだ寝ているのだろう。
アンリは昨日と同じように奥の寝室へと向かった。
ベッドを見ればマスクウェルが眠っていた。
だが、何やらうなされているように見える。
どんな夢を見ているのかはわからないがアンリの手は自然とマスクウェルの頭を撫でる。
頭を撫でるとマスクウェルの表情が和らぐのを確認してマスクウェルの頭を撫で続けた。
「アンリ・・・?」
「おはようございます。マスクウェル殿下」
「あぁ・・・。おはよう」
「ご気分はいかがですか?」
「嫌な夢を見ていた気がする・・・。だが、途中からは悪夢ではなくなった。アンリのおかげだな」
「お役に立てたようならよかったです。今、着替えを取ってきますね」
アンリはそう言ってクローゼットに向かう。
マスクウェルに似合いそうな服を手に取ってマスクウェルの元に戻る。
アンリはマスクウェルの寝巻を脱がせ服を着せる。
少し離れた位置から眺めてどこかおかしいところはないか見るが問題ないようだ。
「マスクウェル殿下。今日は朝のお茶はどうしますか?」
「もらおう」
マスクウェルと共に寝室を出てアンリは備え付きのセットで紅茶を淹れる。
その間にマスクウェルは本を取り出し読みはじめた。
「マスクウェル殿下。お茶が入りましたよ」
そう言ってマスクウェルの前に紅茶を差し出す。
「ありがとう」
マスクウェルは一口だけ飲み再び読書に戻る。
アンリはその様子を後ろから眺めていた。
うなされている時は心配だったがいつも通りのマスクウェルだ。
それを確認してほっとする。
それにしても咄嗟だったとはいえ、マスクウェルの頭を撫でてしまった。
それを思い出すと胸がどきどきしてくる。
自分は一体どうしてしまったのだろうか・・・。
自分の精神は男のはずだ。
だというのに男を撫でてこんな感情がわいてくるとかまるで乙女のようだ。
やはり体が女性だからそれに引っ張られているのだろうか?
こんな状態では何かの拍子に女性だとばれてしまうかもしれない。
アンリは深呼吸をして精神を整える。
自分は男。
自分は男。
と心の中で念じる。
だが、本を読んでいるマスクウェルを見ると心が乱れてくる。
この感情は何なのかよくわからないが、自分がマスクウェルに惹かれているのはよくわかる。
数日でこんな状況ではこのまま傍付きを続けていたらどうなってしまうのだろうか。
アンリは恐怖のようなものを感じていた。




