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掌編

破壊

作者: 綴 詠士
掲載日:2026/01/13

「やめてくれええええ!」


 心からの叫びを須藤は気にしなかった。

 

 須藤は国を滅ぼす兵器を起動させたのだ。

 

「あ、ああ」

 

 絶望した。


「このおおお!!」

 

 俺は近くに落ちていた鉄の棒を拾い、須藤に向かって走る。


 須藤は立っていた。細身で白衣を着て、眼鏡をかけた男。

 

「はははは!!」

 

 須藤は笑っていた。

 

 鉄の棒はまっすぐ須藤の脳天を捉えようとして。

 

 そのまま貫通した。

 

「は?」

 

 そこに何もないかのようだった。

 

 確かに鉄の棒は須藤の脳天を貫通し、体をすり抜けた。

 

 感触は何もない。

 

 すり抜けてしまう。

 

「もう抵抗するのはやめろ! どうせこの平和も束の間なんだ! また侵略され破壊される。なら先に破壊してしまった方がいいと思わないのか!?」

 

 そう言い残すと光の粒を残してあいつの姿はかき消えてしまう。


「くそ。須藤、お前。ふざけたことを」

 

 ホログラムだったのか?

 

 俺たちの技術を知り尽くしてた須藤なら、そのくらいできてもおかしくない。

 

 そこまで考えるが、もう須藤は消えてしまった。

 

 大きなガラス張りの壁から、外が見える。


 目の前には街の景色が見える。


 どこにでもある街。茶色のマンション、色の薄い住宅達、赤く大きな看板をつけたスーパー。

 

 破壊の光が空から迫ってくる。

 

 それがこの街を滅ぼすのだ。


 仲間と共に命を懸けて守ってきた街。宇宙からの侵略者と戦い、ようやく持ち直してきた街なのに。

 

 その街は須藤一人の手によって無残にも消滅しようとしている。

 

 光は街の全てを覆い、俺の視界も消え。

 

 最後に轟音と衝撃を受け、そのまま意識が途絶えた。


 ***


「ん……」


 目を開く。


 俺は倒れていたようだ。


 地面に手をついて立ち上がる。


 そして周囲にあったのは、俺の見慣れた街でなかった。


 全てが破壊の嵐に流されてしまった街の成れの果てだった。






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