図書館での出会い
図書館に着くと、新作の本を探す、新作の本はいつも受付の近くの本棚に並べられているので、そこに行く、本棚を見つけ新作の本が並べられていた。
「この小説はおもしろそうだな」
気になった小説を見つけ手に取る、あらすじを読み面白そうだったので借りることにした、他は参考書や漫画が並べられていたので、それはまた今度暇な時に借りようと思った、小説を借りて、図書館から出ようとした時、ある少女が本棚の上を見つめていた。
「手を貸そうか」
少女の身長を見て、もしかしたら本棚に手が届かないと思った俺は少女に声をかけた。
「ありがとうございます、でも別に結構です、目当ての本は借りているので」
少女は図書館で借りた本を見せてきた、まだ読んだ事はないが最近人気の漫画でこの図書館でも人気すぎて借りるのに苦労する程だ。
「じゃあどうして本棚を見上げてたんだ」
「次はどんな本を借りようかなと考えていて、あれが面白そうだったので」
少女が本棚の上を指差すと、それは俺も読んだ事がある小説だった。
「あの小説か、俺も読んだけど、たしかに面白かったから俺もオススメするぞ」
「読んだ事があるんですね、面白かったのであれば次はあの本を借りてみましょう」
「なんで今借りないんだ、本は何冊でも借りていいはずだけど」
「私も忙しい身でして、あまり読む時間が作れない為にあまり多くは借りないようにしてるんです」
「そうなのか、じゃあまた今度借りてくれ、本当に面白いから」
「そこまでオススメされたら、借りないわけにはいきませんね」
「俺図書委員だからさ、もしかしたらまた会うかもしれないな」
「図書委員でしたか、今日の受付は違う方だったようですが」
「俺は放課後専門だからな、今日の放課後は俺が受付してるよ」
「そういえば図書館は放課後の二時間は開いていましたね」
「まあ来るのは勉強好きの連中とかしか来ないけどな」
「なら私も今度から放課後に来るようにしてみます、何かオススメの本があれば聞けますしね」
「そしたら何冊かオススメの本があるから用意しとくよ」
「ありがとうございます先輩」
今気づいたが少女が着けているリボンは白色だった、この学校は男女学年で男子はネクタイ、女子はリボンの色が違うのだ、俺は二年なので緑色のネクタイ、少女は一年の白色のリボンだった。
「そろそろ時間もあれなので、私は失礼します」
腕時計を確認すると授業開始まであと数分しかなかった、いつの間にか受付もいなくなっており、少女は挨拶だけして、図書館から出ていく、俺も急いで教室まで戻る、名前を聞きそびれたが、また次会った時にでもすればいいかと考えていた、ギリギリで授業開始に間に合い、椅子に座り込む。