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妹は普通の人間ではない


目隠しをされたので時間の感覚がないため、いつ音花が戻ってくるのも分からない少し休もうと目を瞑って数秒後扉の開く音が聞こえてきた。


「先輩、いい子に待っててくれたんですね、私は嬉しいです」


音花の声が聞こえる、さっきよりもうきうきな声に悪寒を覚える、急に匂いが鼻にきた、普段は嗅覚になんて自信はないが、この匂いには覚えがある、血の匂いだ。


「音花一体何をしたんだ」


「何をしたって別に何もしてないですよ」


「だったらなんで血の匂いがする」


音花は答えず、扉の閉じる音だけが響いてくる、ガラガラと音が聞こえる。


「先輩私がしたことは先輩の為だって事を覚えていてくださいね」


音花が近づいてくる音が聞こえる、アイマスクを外され目の前に見えてきた光景は友人神坂陸羽の顔だった、現実が受け入れられない状況になる。


「先輩が私の気持ちに応えられないって言うから、強行手段に出ました」


音花の顔と体は血塗れだ。


「お前がやったのか音花」


「はい、これで先輩の想い人はいなくなりましたね、そんな簡単に受け入れられると思ってませんが先輩には必ず私の愛が伝わるって信じてますから」


音花の声を無視して台車に転がる神坂陸羽の顔を持ち上げる、見事に胴体と斬られており、普段は泣かないがこの時は大泣きしてしまった。


大泣きしていた所、扉が蹴破られる音がした。


「兄上」


「火陰」


現れたのは妹の火陰だ。


「よく居所が掴めましたね」


「兄上の体に仕掛けていたGPSを追跡したらここに辿り着いた、それで貴様何か言い残した事はないか」


火陰はスーツを身に纏っていた。


「そうですね、一言殺すそれだけです」


音花は腰に銃を隠し持っていて、火陰に発砲。


「場所を移す必要がありますね、でもまずは先輩の体にあるGPSを見つけないと」


目の前で火陰は倒れる、音花が近づいてくる。


「くまなく探したはずなんですけどね」


音花が体を触ってくる、音花は火陰の正体を知らずに油断していた、火陰は立ち上がる。


「私の兄上に触れるな」


音花は一瞬驚いていたが咄嗟の判断で火陰の攻撃を躱す。


「さっき頭部を撃ち抜いたはずなんですが」


「簡単に殺せる程私は弱くはない」


火陰は攻撃を緩めることなく、音花の顔面に一撃が当たる、音花は火陰から距離を取る。


「普通の人間の攻撃じゃないですね」


音花は鼻から血を垂らし、服の袖で拭う、どうやら音花も気が付いたらしい、火陰の正体は体を機械の体に改造された改造人間なのだ、子供の頃火陰の体は弱く、病院を入院退院を繰り返していた、だが両親の知り合いの科学者に人体実験に参加した時に機械としての体を手にしたのだ。


「どうやら躱すので精一杯のようですね」


火陰の言う通り、最初こそ火陰に攻撃しようとしていた音花は今は火陰の攻撃を躱しているだけだ、音花は逃げ出す。


「ちゃんと逃げ時は分かっているようですね」


「兄上立てますか」


火陰が手を差し出してくる、掴み立ち上がる、同時に火陰が着ていた服を血で汚してしまった。


「もうすぐ警察もやってくるはずです、今は証拠を隠して逃げましょう」


「ああ」


火陰が先導してくれる。


「兄上遺体は置いていかないと」


「そうだな」


どうせ警察が来て遺体を発見する、神坂陸羽の首を胴体と一緒に台車に置く、神坂陸羽の手首にブレスレットが嵌められていた。


「これは」


嵌めていたブレスレットを外し火陰にバレないようポケットに隠した、外に出て振り返る、身に覚えのあるマンション、音花が一人暮らししていると言っていたマンションだった、既に夜になっていた。


「火陰今は何時だ」


「夜の八時頃だと」


「八時間以上ここに監禁されてたのか」


「もう帰りましょう兄上、姉上も心配してますし」


「風音姉さんが」


滅多な事じゃ心配なんてしない風音姉さんが心配していると火陰の口から聞いた、近くからパトカーのサイレンが聞こえてきた、火陰は手を繋いでくる、振りほどかずに火陰の手の温もりを感じて家の前に辿り着いた。

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