7話:現在から遥か未来へ行く1
翌日1978年5月4日は、いつも通り自転車で近くの埼玉銀行に行き、働き、帰って来て、そんな日が、ずーっと続き、梅雨が明け、1974年7月が過ぎて、8月のお盆休み、毎年8月13-15日が休みと決まっていた。
9月になり、9月24日の晩、ただ何となく変な予感に誘われて、また以前、過去へ飛んだ、東京駅へ導かれるようにして出かけ、銀座の街を歩いていた。苺の乗ったケーキにかぶりついた。そして、喫茶店の回りのカップルを眺めていた。
すると、何か、切ない気持ちになって、無性に自宅に帰りたくなり、東京駅へ向かった。何か、頭の中が混乱して、無性にイライラして、早足で歩くと、また、以前見たような光景が目に入った。そう壁の不自然な割れ目である。
まるで引力に引かれるように、そこへ向かうが周りの人には見えないのか、全く、その壁の割れ目を意識している人がいないのだ。もしかして他の人には見えないのかもと思い歩を進めると急に頭痛がひどくなり意識が薄れた。
目の前の壁の割れ目に入き、後は、全く、意識を失ってしまった。そして随分と時間が経った気がした頃、倒れている、自分の周りで人の声がして、大丈夫かと聞こえた。目を覚ますと5-6人の男性と、地下鉄の職員が上から倒れてる、自分を見て、おいしっかりしろ、軽く頬をたたいた。
意識が戻り、大丈夫ですと言うと、職員と思しき人は、冗談じゃ無いよ、電車のホームに飛び降りるなんて、どうかしてると言い、事務所まで来いと連れて行かれた。そこで、何故、ホームに降りたのかと厳しい口調で詰問されたが覚えてませんとしか言えませんと答えた。
すると、めまい発作か、何か病気を持ってるのかと聞かれ、そうかも知れませんと言い、以前もこんな経験あるのかと聞かれ、1度だけありましたと答えると、そうかと急に優しい声になり、病気か、それなら仕方ない。
でも、きちんと病院へ行って直してもらわないと、まずいぞと言われて解放された。しかし何か、みんなの服装が違う気がしてならず事務室の時計を見ると2018年12月24日、20時50分だった。冷や汗が出るほど驚いたが。素知らぬ素振りして事務室を出た。
心の中で、41年先の未来だと、つぶやき頭の中で、そうだ現在の株価、貴金属、原油、為替のデータを調べようと、考えた。そして街に出ると若い人達が多、カラオケへ行こうとか、今日は、大いに飲んで騒いでネットカフェに泊まろうと話している声が聞こえた。
そこでカラオケって何とネットカフェって何と聞くと不思議そうな顔して、そんな事も知らねーのかよと、からかわれたが、教えてもらった。その後、小さな筆箱の様な奇妙な折りたたみできる細長い物の片方を耳に、もう片方を口に当てて話していた。
また、それを開いて本当に小さな画面のを見たりしていたので、それ何と聞くと大笑いして冗談だろと言った。そして、スマートフォンと言ってネットに繋がっているから電話したり、パソコン見たいに調べものもできる便利なものさと教えてくれた。
ネットってなにと聞くと、インターネットと言って、世界中のデータを瞬時に呼び出して調べられるのさと教えてくれ、お前、面白いなとからかわれ、吉本興業の売れない芸人のコントの練習かと大笑いされた。それに対し、えー、そんなものですと適当に答えておいた。