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12話:新婚旅行と引越し

 その後も長い付き合いが続き、1977年、徳川泰平は既に5百万円を貯め、志保さんと結婚することに決めた。1977年4月26日、町の集会場を借りて、埼玉銀行の同僚や、親族16人で質素に結婚式をした。


 新婚旅行は宮崎と鹿児島へ4泊5日を計画して、噴煙たなびく桜島を見たり、指宿名物の砂風呂を体験して、温泉を楽しみ、宮崎に入り、焼き鳥を食べ、宮崎駅から日南線で、日南へ行き、日南海岸を散歩し、鵜戸神宮を参拝した。


 その後、北上して青島の観光スポット・鬼の洗濯板を見物して、海積・わたつみの祓い。山幸彦と豊玉姫が出会った場所といわれる「玉の井」という井戸で人型の紙に自分の願いと住所、名前を書きます。


 「水に浮かべる前に願い事を書いた紙に息を吹きかけて御神水器に浮かべます。龍の口から出る玉の井の水を手に取り、願い符にかけて流します。次、「天の平瓮投げ・あめのひらかなげ」平瓮「ひらか」とは古くは吉凶を占うために用いられた、土器の皿のこと。


 その土器の皿には、「祈」の文字が真ん中に刻まれており、平瓮が磐境に入れば心願成就、割れれば開運厄除です。天の平瓮を手に持って、磐境所の前で二礼し、小声で天の平瓮に願いを込めて磐境に向かって投げます。


 3番目は、産霊紙縒・むすびこより。元宮の近くにある夫婦ビロウにそれぞれの願いにあったこよりを結びます。この行為は、万物の始まりは結びの力から生じるということに由来する神事です。そして最後に、青島海岸には、幸福を表す色「黄色」で塗られた黄色いポスト。


 実際にポストの役割も果たしていて、新婚さんが、これからの希望や願いを書いて自分宛に差し出し、郵便ポストに入れるカップルも多かった。もちろん、その手紙は宛先に配達されます。新婚旅行から家に戻った。


 その後、今、志保さんと彼女の御両親と住んでいる築40年のすきま風の入る古家から西浦和からバスで10分の家賃6万5千円の4LDKのマンションに引っ越した。病んでいる母の斉藤茜さんには日当たりの良い南側6畳の洋室にベッドを入れて住んでもらった。


 父も同じ部屋にベッドを入れて、もう一つ、6畳の和室を与えた。徳川泰平と奥さんも同じように寝室と和室2間を使う様にして新婚生活を始めた。もちろん、徳川泰平と奥さんも生活のために当分の間、共働きをする事にして新生活が始まり泰平と志保さんが、埼玉銀行へ出勤した。


 そして真面目に仕事に励んだ。やがて梅雨になり7、8月の暑い夏を経て9月になり涼しい風が吹いてきた。1977年10月に奥さんの志保さんが妊娠し1978年4月26日予定日と知らされた。やがて1977年が終わり1978年を迎えた。


 その頃、奥さんのお腹が膨らんできて家事も大変そうだった。 1978年1月に620円でソニー株5千株、310万円で買え、残金が400万円となった。

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